2021年12月17日、イードは59 studioが開発を手掛ける3DダンジョンRPG『ウィザードリィ外伝 五つの試練』の配信をSteamで開始しました。本稿では本作の簡易マニュアルをお届けします。シリーズ経験者の方も、流し見していただければ初めて知る本作ならではの情報がある…かもしれません。1人でも多くの冒険者が広大な迷宮に挑み、その果てに生還して栄光や名誉を手にすることを望みます。
タイトル画面でプレイしたいシナリオを選択すると城塞都市でスタートします。まずは「町外れ」の「訓練場」でキャラクターを作成し、しかる後に「酒場」でパーティーを編成。「町外れ」から迷宮に入って探索~帰還を繰り返し、パーティーを強化しながら各シナリオに課せられた目的の達成を目指しましょう。酒場にはあらかじめ用意されたキャラクターがいるので、新たにキャラ作成をせずともプレイできます。
本作には明確な主人公は存在せず、ゲーム開始直後や全滅直後はパーティーメンバーが誰もいない状態で城塞都市に移行します。全滅時にやるべきことは、本稿のTIPSのひとつ「全滅時の第2パーティー編成~遺体回収」をご確認ください。
町外れの訓練場ではキャラクターの作成を行えます。このとき、町外れで選べるメニューにある「ユーティリティ」→「オプション」で、「キャラクタの作成」タイプを以下のどちらに設定しているかで作成手順が変わります。
■キャラクタの作成TYPE Aの場合名前入力後、任意の職業を選択。その後、種族・性格・性別を選んで最後にボーナスポイントを割り振ります。性格は選んだ職業に適したものしか選べません。ボーナスポイントの量に関係なく最初からすべての職業を選べますが、後述の「TYPE B」と比べると「もらえるボーナスポイントが少なくなりやすい」、「年齢が必ず20歳前後になる」という制限があります。■キャラクタの作成TYPE Bの場合名前入力後、種族・性別・性格を選び、得られたボーナスポイントの範囲内でなれる職業を選び、残りのポイントを自由に割り振って決定します。年齢は14~15歳となりますが、各種族の初期ステータスと得られるボーナスポイント次第で、最初からロードや忍者などの高い能力値を要求する職業にはなれないケースが発生します。その場合はレベルアップで職業ごとに要求されるステータスに達すれば、訓練場の「職業を変える」で転職できます。ただし、転職すると5歳ほど加齢します。本作の世界には5つの種族が存在し、以下のような特徴を持ちます。種族ごとに初期能力値が異なりますが職業に制限はなく、あらゆる種族であらゆる職業になれます。
性別によって、同じ種族でも初期能力値が一部異なります。あらかじめ収録されている5つのシナリオでは、女性を選ぶと男性より力が低くなる代わりに生命力が高くなります。ユーザーシナリオでは、能力値の上下の仕方や差異の度合いが公式シナリオと異なる場合があります。
性格は善・中立・悪の3種類があり、一部の職業は特定の性格でしかなれません。善と悪は相容れない存在なので、酒場では両性格が混合したパーティーは編成できません。中立はどちらの性格ともパーティーを組めます。また、善と悪は迷宮内で「友好的」な魔物に遭遇した場合、戦うか立ち去るかで性格が変わることがあります。
冒険者の職業は8種類存在し、以下のような特徴を持ちます。カッコ内はその職業になれる性格です。ビショップ、侍、ロード、忍者は上級職と位置付けられており、下級職の戦士・魔法使い・僧侶・盗賊よりもレベルが上がりづらいという特徴を持ちます。
キャラには6種類の能力値があり、それぞれ以下のような特徴を持ちます。
作成されたキャラは、「キャラクタを調べる」→「マークの変更」で表示されるグラフィックを変更できます。画像が設定されていない「Face 18」~「20」を選べば画像がない状態に設定できるほか、所定のフォルダに自分で用意した画像を格納すれば好きなグラフィックを設定できます(カスタムポートレート機能)。カスタムポートレートの詳細はこちらの記事をご参照ください。
城塞都市は以下の施設で構成されています。具体的な名称はシナリオによって異なります。
パーティーの編成、キャラクターの詳細確認、武器や防具の装備、アイテムの受け渡しなどを行えます。
【TIPS】お金を集める/山分けする迷宮で得たお金は、パーティーで均等に配分されています。商店で高額な買い物をしたり、高い寄付金を払ってでも寺院の力を借りたいときなどは任意の1人にお金を集めましょう。宿泊すると部屋の質や宿泊日数に応じてHPや呪文の使用回数が回復します。また、経験値が一定以上に達している場合はレベルアップします。
【TIPS】加齢による影響と馬小屋の活用宿では、HPを全快にした状態で簡易寝台以上の部屋に宿泊しない限り、滞在期間に応じて日数が経過し、キャラクターは少しずつ加齢します。一定の年齢を超えるとレベルアップ時に能力が減少しやすくなり、生命力が減少すると死亡時に灰化やロスト(消失)する危険性が上がっていきます。加齢はキャラごとの上、馬小屋での休憩はMPのみの回復ですが日数の経過は最小限なので、呪文の使い手を馬小屋で休ませる→呪文で仲間を回復させる…を繰り返せば宿泊による加齢を最小限に留められます。その場合の回復は、町外れなどから迷宮に入った直後のキャンプ画面で行います。武器や防具、道具の売買のほか、不確定アイテムの識別、一部の装備による呪いの解除を有料で行えます。
【TIPS】主武器武器と補武器ステータス画面で装備している武器名の横に「M」と表示されているものはメインで使用する主武器、「S」と表示されているものはサブで使用する補武器です。主武器と補武器の概念は、シナリオによっては存在しないこともあります。また、「W」と表示される武器は両手で持って使用するので、補武器や盾との同時装備ができません。【TIPS】武器のダメージ性能の見方たとえば長剣のダメージ性能は「1D6+1/2-7」となっていますが、与えるダメージを確認・比較・検討したいときは「2-7」の数値だけを見れば問題ありません。1D6+1はあらゆるコンピューターRPGの祖といえる「テーブルトークRPG」に倣った表現で、「6面ダイスを1回振り、出た目に1を足す」を意味します。つまり「2-7」とまったく同じ意味ですので、雰囲気を出すためのフレーバー的な表現ととらえても差し支えありません。【TIPS】ACの意味防具の性能や各キャラのステータスに表示されるACは「アーマークラス」の略称で、回避力なども加味した総合的な防御力を意味します。ACは低ければ低いほどよく、一番防御力が低い状態が+10、一番高い状態が-10となります。一定の額を寄付すれば、命を落としたキャラの蘇生や、各種状態異常の治療を行えます。寺院の高僧による蘇生は、冒険者が唱える蘇生呪文より成功率が高くなります。
冒険者に向けたお触れを確認できるほか、迷宮内で手に入れた特殊なアイテムなどを持って訪れると褒章などをもらえます。
パーティーを組んでいれば迷宮に入れるほか、「訓練場」ではキャラの作成や削除、名前変更、職業の変更などを行えます。訓練場を訪れるとその時組んでいたパーティーは解散され、メンバーは酒場に戻ります。「ユーティリティ」→「オプション」を選ぶと各種設定を変更できます。「オプション」は、迷宮内でもキャンプから選択できます。「ゲームの中断」を選ぶと、現在の状態を保存してタイトルに戻ります。
「キーボード入力」に設定すると呪文名と宝箱の罠名が英語表記で固定され、戦闘時や宝箱の罠解除時にそれぞれ呪文や罠の名前をキーボードで英語入力する必要があります。タイプミスした場合はどちらも失敗に終わります。設定を「コマンド入力」にすると、呪文名・罠名ともに再び日本語表記を選択できます。
オンにすると迷宮内でプレイヤーが踏破した部分が自動的に記録されます。マップを確認するには魔呪文の「ウィザードアイ」か、同じ効果を持つアイテムを都度使用する必要があります。オートマッピングをオフにして「ウィザードアイ」を使用した場合は現在位置がX軸とY軸の座標で示され、さらに東西南北のどちらを向いているかのみが分かります。
「アイテムを渡す」で「TYPE 1」を選ぶと、方向キーの上下で渡したいアイテム、左右で渡したい相手を選べます。画面内に一度に表示される情報量を抑えられます。「TYPE 2」を選ぶと6人全員の持ち物が一度に表示されるようになり、任意のアイテムを誰に渡したいかを一覧しながら選べます。
オンにすると迷宮探索時の画面右下に9つのボタンが表示され、前進/後退などの移動とその場の探索、キャンプメニューの展開などを画面上のボタンクリックで行えるようになります。
「その他」の項目で、[W/A/S/D]各キーの挙動や決定キーの入れ替えなど、部分的なキーコンフィグを行えます。同ページ最下段にある「キー配列」を選択すると「Steam Controller Configurator」が起動し、ゲームパッドの詳細なキーコンフィグを行えます。
先頭から3番目までは戦闘時に「前衛」となり、敵の攻撃に頻繁にさらされます。4~6番目は「後衛」となり、敵・味方ともに短距離攻撃が届きません。公式シナリオのうち「旅人の財産」で酒場にあらかじめ用意されているキャラクターは戦・侍・僧・盗・魔・ビショップの6人で、迷宮探索時の継戦力や、今後の中期的育成などさまざまな観点からバランスが取られた編成になっています。これを基準に考えるのもいいでしょう。例として、戦士をロードに変えると僧呪文の使い手が3人になり迷宮をより安全に探索できます。しかし、レベルアップ速度が遅い上級職が3人になるので序盤は逆に苦労することも予想されます。
熟練の魔法使い、侍、ビショップ、いずれかがいれば魔呪文「テレポーテーション」で城塞都市まで瞬時に帰還できますが、習得するまでは来た道を引き返して脱出する必要があります。駆け出しのうちは、呪文の残り回数が半分を切る前には帰還を始めるのが無難です。
迷宮にはいくつもの玄室(出入り口がひとつしかない小部屋)が存在します。扉を開けて玄室に踏み込むと必ず敵が出現し、その敵は必ず宝箱を落とします。これを活用し、レベルアップを図るとともに良質な装備の獲得を目指しましょう。敵を倒したあとも、一度城塞都市まで戻れば再び同じ場所で確定エンカウントが発生します。
大半の宝箱には罠が仕掛けられています。パーティーに盗賊がいれば高確率で罠を見抜き、安全に解除できます。失敗した場合は、箱に仕掛けられたさまざまな罠が発動します。僧呪文の「ディバイントラップ」も盗賊と同等の精度で罠を見破れますが、どちらも100%の成功率ではないので両者の見立てが異なる場合もあります。
「キャラクタを調べる(ステータス等詳細表示)」、「順番(隊列)の変更」、「お金を集める/山分け」、「仲間から外す」、「オプション」を選べます。「仲間から外す」で指定された仲間はパーティーを離脱し、その場に留まり続けます。再び加入させるには「サブメニュー」から「仲間を探す」を行ってください。
探索:「探査」は目の前を調べます。「仲間を探す」はその場にいる仲間を探し、パーティーが5人以下であれば加入させられます。
調査:目の前を調べます。上記「探索」→「探査」と同じ行動です。
中断メニュー:「パーティーの変更」は、現パーティーをその場に留まらせて城塞都市に戻ります。活用法としては、迷宮の奥深くで呪文の回数が切れてしまったとき、城塞都市から別のパーティーを派遣して救出に向かう…などが挙げられます。「冒険の中断」は現在の状態を保存してタイトル画面に戻ります。「町外れ」→「冒険の再開」で探索を再開できます。
パーティーが何らかの要因で全滅した場合も城塞都市に戻ります。ただし、パーティーメンバーの遺体は全滅した場所付近に残されたままとなっています。5人以下で編成された別のパーティーを同じ場所まで到達させ、全滅箇所の付近で「仲間を探す」を行えば遺体を発見し、加入させる形で回収できます。回収した遺体は一部の所持品を紛失している場合があるほか、迷宮内で全滅した場合は、命を落としたキャラがそのままロスト(消失)することもあります。
命を落とした冒険者は、蘇生に失敗したときなどに灰になったり、ロスト(消失)したりすることがあります。ロストは世界から存在そのものが消えてなくなることを意味し、その状態でできるのは故人の冥福を祈ることのみです。復活させる手段はありません。
戦闘中のメッセージは左キーで高速送りできます。ただし、ターンの経過も分かりづらくなるため、強い敵がいる場所での使用には注意が必要です。
迷宮内で「探査」、もしくは「調査」を行うと隠された扉を見つけられることがありますが、迷宮内は光源に乏しく、ほんの少しの先すら見えない暗所です。作業を確実なものにするためには、灯りが必要になることもあるでしょう。
訓練場では作成したキャラの並び順を変更できます。迷宮を探索するときの隊列と同じ順番に並べ替えておけば、酒場でのパーティー編成をスムーズに行えます。
訓練場でのキャラ作成時に与えられるボーナスポイントはランダムで決定されます。キャラの作成を何度も繰り返すとそのうち大きなボーナスを得られ、序盤の冒険が少し楽になることもあるかもしれません。
迷宮で友好的な魔物に戦いを挑むと善から悪に、立ち去ると悪から善に性格が変わることがあります。これを利用すると、キャラ作成時や職業の変更では作れない、悪のロードや善の忍者なども実現可能です。
本作は旧バージョンから引き継ぐ形で、ユーザーの投稿によるさまざまなシナリオを楽しめます。2021年12月下旬現在、ユーザーシナリオに関する検索設定や詳細付記がまだ実装されていませんが、旧バージョンのサイトで本作にコンバートされているユーザーシナリオの概要を確認できます。
プレイ中はCtrl+F1でソフトリセットを行えます。本作は適宜オートセーブが行われますが、迷宮内でパーティーに甚大な被害をもたらす罠を発動させてしまった、魔物の強力な攻撃で一気に壊滅状態になってしまった…そんなときなどに最悪の状況を避けられる…かもしれません。
(C) IID, Inc. (C) 59 Studio. Original Monster Design by Suemi Jun. Wizardry is a trademark of Drecom.Co.,Ltd.
※UPDATE(2021/12/27 18:00):内容を一部修正しました。
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