アマゾンの新しいAlexa対応電子レンジ「AmazonBasics Microwave」をレヴューしようとして立ち上げたあと、最初に気付いたのは、表示部に「FAIL(失敗)」という文字が表示されたことだった。
それはちょうど、Wi-Fi接続の手順を始めてすぐのことである。驚いたことに、この文字はその後もテストを続けている間、ずっと表示され続けていた。
AmazonBasics Microwaveは、出力が700ワット、容積が0.7立方フィート(約20リットル)の家電製品だ。価格はたったの60ドル(約6,800円)で、「Amazon Echo」のようなアマゾンのデヴァイスと接続することによって、電子レンジのさまざまな機能を音声で制御できる。
例えば、「アレクサ、30秒加熱して(microwave 30 seconds)」と言えば、電子レンジが高出力で稼働する。「アレクサ、10オンス(約300g)の魚を解凍して」と言えば、適切な温度で加熱が始まる。
多くの機能は、GE Appliancesの新しい「Scan-to-Cook」技術を備えた電子レンジ「Smart Countertop Microwave」と、よく似ている。ただし、GEの電子レンジには、数千もの電子レンジ用食品について、バーコードをスキャンすれば電子レンジに調理の指示を出せる機能がある。
スマートには聞こえるものの、個人的にはScan-to-Cook技術の付加価値はそれほど見出せなかった。しかし、アマゾンによる初のキッチン家電への進出については、興味と好奇心があった。
この「Amazonベーシック」ブランドの電子レンジは、「Alexa Connect Kit(ACK)」技術を採用した新製品という点でも注目を集めている。ACKは、サードパーティーのメーカーが機器をスマートデヴァイスにできるように、必要なハードウェアとクラウドサーヴィスの両方を提供するものだ。
通常ならレヴューする製品を受け取ると、すぐにでも試してみたくなる。しかし、この電子レンジに関しては、物理的な問題と接続の問題の両方があり、最初からスムーズにはことが運ばなかった。
まずは物理的な問題だ。多くの電子レンジと同じように、アマゾンのこの製品にもガラス製のトレーが付属している。そしてこのトレーの底には、ターンテーブル(回転台)のシャフトと噛み合うようになっている3個の突起がある。これにより、冷凍食品が回転しながら解凍されるわけだ。
しかし奇妙なことに、回転台のシャフトがトレーを回転できるギリギリの高さしかない。テストの際には何度か、トレーが本来の位置からずれてしまった。このようなことは、ほかの電子レンジでは起きたことがない。
試しにエンジニアの許可を得て、自分の電子レンジ(Wi-Fi接続しない700ワットのGE製電子レンジ)に付属していたもう少し背の高いシャフトをアマゾンの電子レンジに使ってみたところ、かなり具合が良くなった。この問題が判明したあと、アマゾンは2台目の電子レンジを送ってくれたのだが、その回転台のシャフトも最初のものと同じ高さだった。
また、接続に関しても重大な問題が発生した。この電子レンジの公式な出荷日が、今回のテスト用製品を受け取った2日後だったことを考えると、これは大きな懸念材料である。
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