「人生100年」と言われる今の時代。若いうちから将来を見据えて、せっせと貯金をしている人は多い。中には、人並み以上に貯蓄や投資に精を出し、早期リタイアを夢見る人もいることだろう。
松井証券株式会社ではこのほど、全国の社会人1-3年目(以下、Z世代)と、社会人4-18年目(以下、ミレニアル世代)の男女、合計600名を対象に「初任給」と「理想の働き方」に関する世代別の実態調査をインターネット調査にて実施。また、昨今話題の「アーリーリタイア(FIRE)」に関する参考調査も行った。詳細は以下の通り。
新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた2020年入社の社会人2年目の方に、『初任給で自由に使えるお金(住居費、水道光熱費、通信費などの生活費除く)を何に使ったか』と尋ねたところ、1位「貯蓄(66.0%)」、2位「趣味/娯楽(53.0%)」、3位「家族へのプレゼント(27.0%)」という結果に。
最も金額を費やした項目は「貯蓄(39.0%)」が1位となり、初任給から貯蓄した金額は、「8.8万円」(平均値)という結果も明らかとなった。
そして、コロナ禍真っただ中の2021年入社の新社会人を対象に、初任給の使い道を尋ねると、1位「貯蓄(71.0%)」、2位「趣味/娯楽(49.0%)」、3位「交際費(28.0%)」となり、貯蓄を選択した割合は7割を超える結果となった。
また、最も金額を費やしたいと思う項目においては、約半数(47.0%)が「貯蓄」と回答し、1位に。新社会人が貯蓄に費やしたいと考える金額は「9.3万円」(平均値)。2021年入社世代は、2020年入社世代よりも貯蓄への意識が高いことが判明した。
2021年入社の新社会人を除いた、社会人2年目以上の方に『給料を貯蓄に回していますか』と尋ねたところ、80.4%が「貯蓄に回している」と回答した。
貯蓄に回していると回答した人に、『年にどのくらいの頻度で給料を貯蓄に回していますか』と尋ねたところ、Z世代・ミレニアル世代ともに、7割以上(73.1%)が「年に12回」という結果に。
『給料から貯蓄に回せるようになったのは社会人何年目からですか』と尋ねたところ、ミレニアル世代が貯蓄できるようになったと回答した年次は、「社会人2.8年目*」と判明。Z世代では「社会人1.4年目*」となった。(*年次は平均値)
また、1年目から貯蓄をしていたと回答した割合を世代間で比較すると、ミレニアル世代は56.3%、Z世代は76.6%となり、ミレニアル世代と比較して、Z世代は社会人1年目から貯蓄を始めている割合が高いことが明らかになった。
貯蓄意識が高まった人の約8割が「将来に不安を感じている」。『コロナ禍を経て、貯蓄に対する意識は高くなったと思いますか』と尋ねたところ、「とてもそう思う(33.3%)」「ややそう思う(40.8%)」を合わせて、全体の74.1%が貯蓄に対する意識が高まったと回答した。
続けて、コロナ禍を経て貯蓄にどのような変化があったかを尋ねたところ、「貯蓄を始めた(始めようと思った)(12.5%)」「貯蓄に回す金額を増やした(増やそうと思った)(29.7%)」と、42.2%(3人に1人以上)が貯蓄に関する行動・意識に変化があったことがわかった。
また、「貯蓄を始めた」「貯蓄に回す金額を増やした(増やそうと思った)」と回答した人を対象に、その理由を尋ねたところ、約8割(76.3%)が「自分の将来に不安を感じている」ことが明らかに。
さらに、自由に使えるお金(住居費、水道光熱費、通信費などの生活費除く)について、『コロナ禍の昨年と比べて、今年の使い道がどのように変化すると思いますか』と尋ねたところ、支出が増えると思う項目では、1位「貯蓄(33.0%)」、2位「資産形成・資産運用(22.3%)」、3位「食費(19.8%)。
一方で、支出が減ると思う項目は、1位「旅費(42.3%)」、2位「交際費(33.2%)」、3位「被服費(32.0%)」となり、今年もお金の使い道においてコロナ禍の影響が感じられる結果となった。
『コロナ禍を経て、働き方の意識に変化がありましたか』と尋ねたところ、全体の半数(50.2%)が「ある」「どちらかと言えばある」と回答。世代別でみても、Z世代は51.6%、ミレニアル世代は49.5%となり、各世代で約2人に1人、変化があったことがわかった。
また、理想的な働き方を尋ねたところ、約半数が「副業からも収入を得る(49.2%)」を挙げ、本業以外に収入を得たいと考えている人が多いことがわかり、2位「終身雇用(安定して長く働くこと)(28.8%)」、3位「アーリーリタイア(不労所得のある早期退職)(21.8%)」という結果となった。
世代別に結果をみると、Z世代は、1位「副業からも収入を得る(54.3%)」、2位「お金を貯めて独立(26.6%)」、3位「終身雇用(安定して長く働くこと)(21.8%)」、4位「アーリーリタイア(不労所得のある早期退職)(19.7%)」、5位「会社の所在地とは離れた地域に住む(5.9%)」。
ミレニアル世代は、1位「副業からも収入を得る(46.8%)」、2位「終身雇用(安定して長く働くこと)(32.0%)」、3位「アーリーリタイア(不労所得のある早期退職)(22.8%)」、4位「お金を貯めて独立(17.5%)、5位「会社の所在地とは離れた地域に住む(7.5%)」となり、2位以下では世代間での違いも見られた。
さらに、理想の働き方として「副業からも収入を得る」と回答した人を対象に、副業によって得る理想的な金額を尋ねると、世代に関わらず「本業に加えて+10万円」(中央値)となった。
また、「副業からも収入を得る」の実現のために具体的に取り組んでいることを尋ねたところ、1位「資産形成/資産運用(41.4%)」、2位「副業の情報収集(38.6%)」、3位「空き時間の捻出(28.1%)」、次いで、4位「資格取得/勉強(24.7%)」、5位「人脈作り(14.6%)」が続く結果となった。本業以外に収入を得る手段として、まずは貯蓄額を増やすことが意識されており、そのために一定数の人は資産形成に取り組んでいるのだと考えられる。
理想的な働き方に関する質問では、「アーリーリタイア(不労所得のある早期退職)」が全体の3位に入っており、コロナ禍における新しい価値観が広がっていることが確認された。特にミレニアル世代では5人に1人以上(22.8%)が「アーリーリタイア」を挙げている。
そこで、『アーリーリタイアをするために、貯蓄額は最低何万円以上必要だと思いますか。』と尋ねたところ、「最低5,000万円以上」(中央値)という結果になった。
「アーリーリタイア(不労所得のある早期退職)」を理想的な働き方として回答した人の現在の貯蓄額を尋ねると、「300万円(中央値)」であったことから、理想と現実の間には、4,700万円という大きなギャップがあることがわかった。
また、ミレニアル世代を対象に「就職した頃からやっておけばよかったと思うこと」を尋ねたところ、第1位「資産形成/資産運用(36.4%)」、第2位「スキル習得(24.3%)」、第3位「交友関係を広げること(19.4%)」という結果になった。
※松井証券株式会社調べ
<調査概要>調査方法:インターネット調査・調査時期:2021年3月・調査対象:<Z世代>社会人1-3年目の男女計300名(男性150名/女性150名)、※小数点第二位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合がある。
出典元:松井証券株式会社
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