この新しい高速化手法は、他のウィンドウの下に隠れたChromeブラウザの動作を制限するというものです。
これまでにもGoogleは、現在表示していないタブの動作や、最小化されたり画面外に存在したりするウィンドウの動作を制限することで、Chromeブラウザの高速化をおこなってきました。
しかしながら、Windows OSの制限から、Chromeブラウザが他のウィンドウに隠れているか直接確認する方法がなく、これまで他のウィンドウの下に隠れたChromeブラウザの動作を制限できなかったそうです。
一方で、Chromeブラウザが他のウィンドウに隠れているケースは20%近く存在し、そのような状態になったChromeブラウザの動作を制限することで高速化が実現できるとGoogleは考えました。
そこでGoogleは、「Native Window Occlusion」と呼ばれるプロジェクトを立ち上げ、Chromeブラウザが他のウィンドウに隠れている状態を検出できるようにしました。
マルチモニターや仮想デスクトップなど、考慮すべき複雑な要素が多く存在し、実現は難しかったといいます。
最終的には60fpsという高速なフレームレートでChromeブラウザが他のウィンドウに隠れているかどうか検出できるようになり、ユーザー体験を犠牲にすることなく高速化を実現できたとのことです。
この隠れたウィンドウの動作を制限することによる効果を計測したところ、以下のような効果が得られたそうです。
起動時間やFCPが改善された理由は、Chromeブラウザ起動時に2つ以上のフルスクリーンウィンドウが復元されると、そのうち一方が隠れた状態になり、手前側のウィンドウの起動や描画にリソースを費やすことができるためです。
Chromeブラウザは2021年11月時点で64.06%のシェアを持ち、Webブラウザの中で最も多く使われています。
Source: Chromium Blog via Windows Latest
(ハウザー)
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