ネットの通信速度に不満があるなら、光回線の契約を見直してみよう
ネット回線が遅い環境でWi-Fiルーターやパソコンを買い替えてもインターネットの速度はほとんど変わらない。インターネットが遅くなる原因がネット回線にあるとわかったら、回線の種類やプランの見直しを検討しよう。それらを切り替えることで、インターネットの高速化を図ることができる。【ビジュアル解説】「光」回線を見直すポイントはここ
現在、多くの家庭で利用されている光回線の場合、契約しているプランや住戸への配線方式によって、速度がかなり異なる。例えば、契約者の多いフレッツ光の光回線では、初期のプランだと最大通信速度はわずか200メガビット/秒(Mbps、メガは100万)だった。現在の主流は最大通信速度が1ギガビット/秒(Gbps、ギガは10億)のプランで、それに変更するだけでも速度は大幅にアップする。アパートやマンションなど集合住宅の場合、直接部屋に光ファイバーを通す光配線方式と、各部屋に分配するVDSL方式の違いでも速度が大幅に異なる。VDSL方式を光配線方式に切り替えることで、速度は大幅に向上する。ただし、光配線方式の導入には、集合住宅の共有部分に光ファイバーを通す工事が欠かせない。マンションでは、大多数の居住者の同意を得るプロセスが必要になることが多く、個人で導入するにはハードルが高い。
現在、一般家庭向けのインターネット接続回線として、光回線とホームルーターが選べる。光回線は光ファイバーで宅内まで引き込み、ONU(光回線終端装置)で光信号を有線LANに変換する仕組みで、高速で安定した通信ができる。回線を切り替える際には、光回線が第1候補になる。ただし、導入には工事が必要で、プランや利用場所によっては開通までかなり時間がかかることがある。また、集合住宅によっては、諸事情で各家庭に光ファイバーを引き込めないこともあり、VDSL方式を継続せざるを得ない場合もある。一方、ホームルーターは、第5世代(5G)や第4世代(4G LTE)の携帯電話通信を使うので導入時に工事は不要。ホームルーターを家庭に設置するだけでインターネットを利用できる。ただし、電波状況に左右されやすいうえ、5Gは提供範囲が狭いという課題も抱えている。光回線とホームルーターのほかに、ADSLというインターネットの接続手段もある。古くから使われていたが、2023年にサービスの提供の終了が決定している。もし、現在もADSLを利用しているなら、回線の切り替えの検討が急務だ)。光回線を導入する際は、居住地がプランのエリア内か調べておく。通信速度が1Gbpsを超える高速回線サービス(ギガ超え)の提供地域は、全国的にみるとまだ一部地域に限られる。例えば、現在家庭向けの光回線の最大通信速度は、ソニーネットワークコミュニケーションズが運営する「NURO 光」の20Gbpsだが、同プランの利用範囲は、東京都豊島区と港区の一部地域のみ(2021年11月中旬現在)とかなり狭い。このほか、提供範囲を戸建て住宅や一定規模以下のマンションに限定するギガ超えサービスもある。
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