ここのところChromebookに関してはかなり盛り上がっているが、NUCタイプのChromeboxはほとんど見かけない状況だった。そこへ投入されたのが今回ご紹介する「Chromebox 4」だ。Chromebookとは違いパネルやバッテリ、キーボードなど余計なものが無い分、同クラスであれば安価になる上、手持ちの周辺機を活用できる。持ち歩く必要がなけれな、こちらの方がベターだろう。
4タイプあり、順に、Celeron 5205U/4GB/64GB(eMMC)/41,500円前後、Core i3-10110U/8GB/128GB(M.2 SSD)/56,500円前後、Core i5-10210U/8GB/128GB(M.2 SSD)/68,500円前後、Core i7-10510U/16GB/256GB(M.2 PCIE GEN3x4 SSD)/85,500円前後(価格はすべて税込)。主要インターフェイスは同じだ(CeleronタイプだけUSBのポート数が少ない)。
さすがに全部入りのCore i7タイプは少し高いが(と、いっても同クラスのChromebookより安価)、Core i3/i5モデル辺りは狙い目ではないだろうか。いずれにしても消耗品の範囲(税込10万円未満)で購入できるので、個人でも企業でも導入しやすい価格帯だ。
なお、Chrome OS搭載機は、サポート期間が定められており、本シリーズに関しては2028年6月までとなる。約7年あるので特に問題ないだろう。ここでChromebook|Box、各製品のstable、Beta、Dev、Recoveryなどの各ビルド番号が確認できる。本機のstableは執筆時点で13729.84.0 / 89.0.4389.130となっていた(現在はM90)。
手元に届いたのは最上位のCore i7タイプ。メモリ16GB、ストレージM.2 PCIE GEN3x4 SSD 256GBと、第11世代でないのは残念だが、ゲーミングPCを除けば最上位クラスのWindows PCと変わらないスペックとなる。
ASUS「Chromebox 4」の仕様 | |
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プロセッサ | Core i7-10510U(4コア8スレッド/1.8~4.9GHz/キャッシュ 8MB/TDP 15W) |
メモリ | 16GB(DDR4-2666) |
ストレージ | M.2 PCIE GEN3x4 SSD 256GB |
OS | Chrome OS |
グラフィックス | UHD Graphics/HDMI 2.0×2、Type-C(DisplayPort Alternate Mode) |
ネットワーク | Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1 |
インターフェイス | USB 3.0 Type-C×1 (背面×1)、USB 3.2 Gen 2×5(正面×2、背面×3)、microSDカードスロット、音声入出力 |
サイズ/重量 | 約148.5×148.5×40mm(幅×奥行き×高さ)/約1kg |
税込価格 | 85,500円前後 |
プロセッサはCore i7-10510U。4コア8スレッドでクロックは1.8GHzから最大4.9GHz。キャッシュ8MB、TDP 15W。メモリは16GB(DDR4-2666)、ストレージはM.2 PCIE GEN3x4 SSD 256GB。OSはChrome OSを搭載する。
以前も書いているが、一般的にChrome OS搭載機は、Windows PCより少ないリソースでも軽々動くと言われている(つまり古かったり非力なリソースでもサクサク動く的な)。しかしこれは半分本当で半分嘘だ。
OSのフットプリントはWindowsと比較して小さいため、少ないリソースでも大丈夫だが、その上で動くChromeでサイトなどをアクセスする場合、レンダリングにパワーが必要、多くのタブを開くには多くのメモリが必要……と、この部分はWindowsやmacOS上で作動するChromeと同じだ。従ってよりハイパワーのマシンの方が快適に利用できる。加えてAndroidアプリやLinux環境も使うなら尚更だ(ストレージも同様)。従ってこのCore i7タイプは十分存在価値がある。
グラフィックスは、プロセッサ内蔵UHD Graphics。外部出力用にHDMI 2.0×2、Type-C(DisplayPort Alternate Mode)を備えている。3ポート同時出力可能4K対応となる。
ネットワークは、Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1。その他のインターフェイスは。USB 3.0 Type-C×1 (背面×1)、USB 3.1×5(正面×2、背面×3)、microSDカードスロット、音声入出力。Thunderboltこそ無いものの、最新が一通り揃っている。
サイズ約148.5×148.5×40mm(幅×奥行き×高さ)、重量約1kg。VESAマウンタも付属し、ディスプレイの裏などに設置可能だ。価格は税込で85,500円前後。安価でローエンドなChromebookは数多くあるものの、ハイエンドモデルは国内では少なく本機は貴重な存在となる。
前面。音声入出力、Type-A×2、microSDカードスロット、電源ボタン背面。ロックポート、Gigabit Ethernet、USB 3.1×3、HDMI×2、USB 3.0Type-C、電源入力上。ASUSとChromeのロゴ下。真ん中あたりにVESAマウンタ用のネジ穴付属品。ACアダプタ(サイズ約125×45×28mm、重量238g、出力19.5V/4.62A)、VESAマウンタiPhone 12 Pro Maxとの比較。結構コンパクトなのが分かる重量は実測で638g。仕様の約1kgより随分軽いタッチ対応のディスプレイと併用。当初よりは少なくなったが、Androidアプリの一部でタッチパッドではうまく操作できないものもあるので、タッチ対応のディスプレイがあればより使いやすくなる筐体はNUCより大きく、少し前にご紹介した「MINISFORUM HM50」とほぼ同じサイズ感だ。iPhone 12 Pro Maxとの比較写真からも分かるようにコンパクト。重量は638gなので、片手で楽々持ち上がる。
前面は音声入出力、USB 3.1×2、microSDカードスロット、電源ボタン。背面はロックポート、Gigabit Ethernet、USB 3.1×3、HDMI×2、USB 3.0 Type-C、電源入力を配置。裏はVESAマウンタ用のネジ穴がある。付属ACアダプタはサイズ約125×45×28mm、重量238g、出力19.5V/4.62A。PDでないのが残念なところ。
ご覧のようにOSが違うだけでコネクタ類などは一般的なものなので、キーボード/マウス、ディスプレイ、そして電源を接続すれば起動する。ネットワークはWi-FiかGbEどちらかがあれば良い。もしAndroidアプリを多用する場合は、加えてタッチパッドかタッチ対応ディスプレイがあればよりスマホ的に操作でき便利だ。
ノイズや振動、発熱は試用中、特に気になることはなかった。これなら机の上でもVESAマウンタを使ってディスプレイの裏に付けても問題ないだろう。
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