昨今ではクルマの中にWi-Fiを搭載することも珍しいことでなくなっている。ノートパソコン片手に好きな場所で仕事をすることも可能なのだ。
ダイヤルを回す黒電話からスマートフォンへ。カセットテープから音楽配信サービスへ。昭和と令和では、もうあらゆるモノのカタチや使い方がガラリと変化していますよね。じつはクルマも、タイヤがついた乗り物という見た目こそ変わっていませんが、その使い方はずいぶんと変化を遂げてきています。昭和の時代は、クルマと言えばドライブしたりイジったりするのが楽しみ方の筆頭でした。でも令和の今、そうした昭和のエンスーもびっくりするような使い方が盛り上がってきています。【画像】レクサスのオーナーズデスクの表示 まず1つめは、個人カーシェアリングでお小遣いを稼いだり、同じクルマ好きのコミュニティを広げるという楽しみ方。これは個人カーシェアのアプリにオーナー登録して、自分が愛車を使わない時間帯に、アプリを通じて申し込みをしてくれたユーザーに有料で貸し出しをするというもの。時間や受け渡し場所もある程度自由に決められて、貸し出し時間に応じた報酬が受け取れるとあって、数年前からじわじわと利用者が増えているようです。 当初は誰もが「乗ってみたい」と思うような個性的なクルマに乗っている人のほうが多かったようですが、最近では新たにクルマを購入しようと考える人が、同じ仕様のクルマにあらかじめ試乗してチェックしたいな、という時に借りることもあるそう。実際にオーナーに会えるので、気になる点を「ここどうですか?」なんて聞けるのがいいですよね。 個人カーシェアアプリの1つ、「Anyca(エニカ)」のサイトを見てみると、自分の愛車を貸し出した場合に、どれくらいの報酬が受け取れるのか、シミュレーションすることができます。試しにスバル・レヴォーグ(2019年式)で東京都受渡しの設定でシミュレーションしたところ、なんと1カ月に1万4441円が受け取れる想定という結果が。自分が使わない時間に愛車がお小遣いを稼いでくれるなんて、昔は想像できませんでしたね。 2つめは、クルマを「第二のオフィス」のようにワークスペースとして使うこと。これも数年前から少しずつ増え始め、コロナ禍でリモートワークが推奨されたのを機にグッと増加しています。それには2つの大きな理由があり、1つめは車内で使えるWi-Fiルーターが豊富になってきたこと。自動車メーカーがオプションとして設定し、月額料金を支払って使うものもありますが、SIMフリーの小型モバイルルーターなどを利用することで、車内でも快適な通信環境が整うというわけです。 もう1つの理由は、リモートワークになったものの自宅に最適なスペースがない人が多いこと。夫婦共にリモートになってお互い気を遣ってしまったり、小さな子供がいて仕事に集中できないなど、なかなか自宅では思うように仕事がはかどらないことも多いものですよね。電話の内容がご近所に筒抜け、なんてことになっても困るし……と悩む人の救世主が、クルマだったわけです。愛車をワークスペースにする人や、カーシェアで移動のためでなくワークスペースのために借りる人も増えています。また意外なところでは、営業職などで外回りをしている人が、休憩や仮眠のためにカーシェアを利用することも多くなっているそうです。
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