アステリアは2月28日、商談支援アプリケーション「Handbook X」を発表した。Handbook Xは顧客に提示する資料を一括管理し、商談時も素早く呼び出せるアプリケーションとして、iOS 14以降、iPadOS 14以降、macOS 11.6以降、Android 11以降で動作。同日から各アプリストア経由で提供を開始し、Windows版も2022年度第1四半期の提供を予定している。
無償版を含む全7プランを用意し、2022年度末までに1万ユーザーの獲得を目標に掲げている。同社代表取締役 平野洋一郎氏は「これからは自立・分散・協調型の『つなぐ』が重要。Handbook Xはあらゆる業種業態に使えるが、今回は中小企業や副業、フリーランス、個人事業の方々を支援するため商談に焦点を当てた」と提供背景を説明した。
オンライン・オフライン問わず、商談時は顧客に資料を提示するためのアプリケーションが必要となる。オンライン会議ツールは一般的なPDFやMicrosoft PowerPointプレゼンテーションファイルに対応しているものの、あらかじめクラウドストレージからダウンロードするなど事前準備が必要だ。
現在はコロナ禍で難しいものの、直接客先を訪問するオフライン時は顧客に見せるタブレットなどに資料データをコピーし、閲覧ビューアーをインストールしなければならない。これらの煩雑さを解消したのがHandbook Xと言える。
商談に必要な販促コンテンツの登録から閲覧、共有までをHandbook X上で完結でき、独自にカスタマイズした提案ストーリーを手軽に作成可能。カタログなどのPDFや商材の写真、YouTubeの動画やウェブサイトなどの外部コンテンツへ専用アプリに切り替えることなくHandbook X上からワンストップでアクセスできると利点を説明する。
Handbook Xは「ブック」と呼ばれるフォルダーをデバイス上に作成し、各種セクションからコンテンツを格納する仕組みだ。
画像ファイルを登録する「写真セクション」、動画ファイルやYouTube動画を登録する「ムービーセクション」、URLベースでウェブサイトを登録する「Webサイトセクション」、PDFファイルを登録する「PDFセクション」、複数のファイルを登録する「複数ファイルセクション」を用意する。別途作成したセクションデータを取り組む「セクションファイルの読み込み」も可能だ。
作成したブックは契約内容によって容量が異なるクラウドストレージにも保存されるため、コンテンツ肥大化による容量ひっ迫に一抹の不安が残る。ローカルから登録する動画ファイルは不可避だが、YouTube動画はURL情報のみ格納するため、クラウドストレージを消費しない。
また、作成したブックはメールアドレスやユニークなアクセスコード、2次元コードで共有可能。また、Handbook Xワークグループに類するブロンズ、シルバー、ゴールドのそれぞれで利用可能なワークグループ内でも共有できる。
個人での利用を想定したパーソナルと法人での利用を想定したワークグループに分けられる。各プランの税別月額利用料金は、パーソナルのブロンズ版が300円、シルバー版が900円、ゴールド版が1500円。ワークグループのブロンズ版が3000円、シルバー版が9000円、ゴールド版が1万5800円。
Handbook Xのプランアステリアは以前からモバイルコンテンツ管理システム「Handbook」を提供してきたが、Handbook Xの構想が生まれたのは「2017年ごろ。当時、英国のデジタルデザイン企業を買収したが、『(既存アプリケーションの)UI(ユーザーインターフェース)ではグローバル展開が難しい』との意見」(平野氏)があったことから、Handbook Xの開発に着手している。
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