映像機器における海外製品のネーミングセンスには時折理解不能なものが出現するが、その先陣を切ったのはやはりオーストラリアのATOMOSだろう。Ninja、Shogun、Sumoあたりは強そうな職業・階級という理解はできるが、Roninとなるともはやそれは職業とは言いがたい。むしろ無職である。
DJI RONIN-Sまあおそらく「7人の侍」あたりのイメージなのかもしれないが、Dual RoninsとかRonin Duoなるワードがサイトにあると、日本人ならちょっと笑ってしまう。
そんなATOMOSのRoninはフィールドレコーダだが、DJIにもRONINなる製品群がある。DJIはご存じのように元々ドローンのメーカーだが、空撮に必要なジンバル技術を切り出して、撮影専用モデルを多数輩出している。
RONINはDJIにおける撮影用ジンバルのプロ用ラインナップだ。初代RONINはT字型の両手持ち大型ジンバルで、その後RONIN-M、RONIN-MXとマイナーチェンジした。新型のRONIN 2はさらに大型のカメラが搭載できるよう強力なモデルとなり、2017年4月のNABで発表された。
NAB2017で発表されたRONIN 2DJIのジンバルは、大型化するのと逆方向に、小型化も進めているのはAV Watch読者諸氏ならご存じだろう。スマートフォン用ジンバルOsmoシリーズは、本連載でも新作が出るたびに取り上げている。
今回ご紹介するジンバルは、Osmoシリーズではなく、プロ用ラインナップRONINシリーズで最も小型となる「RONIN-S」だ。
これまでDJIのジンバルは、それこそ映画機材を載せるための大型機か、スマートフォンを載せる小型機しかなかった。普通のデジタル一眼やミラーレスを乗せる程度の中型ラインナップが存在しなかったのだ。RONIN-Sは、そのジャンルをカバーする製品となる。
ミラーレスカメラ用ジンバルは、日本ではそれほど注目されていないジャンルだが、中国・台湾あたりの通販ショップを覗くと、製品が非常に多いことがわかる。相場としてはだいたい4万円台から8万円台といったところである。
そんな中、プロ向けのDJI RONINシリーズがこのジャンルに入ってきたことで、業界的には戦々恐々としているところである。価格的には92,800円(税込)と、同ジャンル製品の相場より1万円程度高いが、RONIN 2のフルセットが約90万円であることを考えれば、1/10なのである。
プロも注目のRONIN-Sの実力を、早速テストしてみよう。
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