位置情報を人知れず集めたかったら、その手があったか!と思わず膝を打つニュース。
「ロケーション履歴をオフにしてもGoogleが位置情報を回収・保存している」とカリフォルニア大学バークレイの研究員K. Shankariさんがブログで書いているのを読んで、え? そうなの?と思ってAssociated Press Newsが試してみたら、確かにぼ~っと流れに従ってオフにしただけではオフにならず、追跡を振り切るのはえらくややこしいことがわかりました。
手順は違うけど、Googleアプリはみな位置情報の追跡と保存をオフにできるようになっています。保存されているデータは「Googleマイアクティビティ」で全部確認できます。検索履歴、広告の設定なんかもすべてここにまとまっています。位置情報はこのウェブページの左のメニューから「アクティビティ管理」に進んで調整するのが一番カンタン。アクティビティごとにON/OFF切り替えボタンがあって、地図のアイコンで表示されているのがこちらの「ロケーション履歴」です。名前も名前だし、普通はここがグレイのOFFになっていれば、追跡されないと思いますよね。
違うんです!
Googleのサポートにも「 ロケーション履歴をオフにすると、ユーザーが訪れる場所は保存されなくなります」と書かれているんですが、これは移動場所をマップで俯瞰できるタイムラインに保存されなくなるだけで、ロケーション履歴の追跡は止まらないんでありますよ。
追跡を止めたかったら、ここではなくて「ウェブとアプリのアクティビティ」のほうをOFFにしないといけません。
「Google使用履歴を保存し、マップ、検索などのサービスですばやく探して、最適なおすすめを表示できるようにしています」と解説にはあるので、検索のカスタム設定っぽいですけど、現在地で近場のおすすめを検索できたりもしますので位置情報の追跡もここで管理できるんです。Googleマイアクティビティから「アクティビティを削除する」というメニューを選んで、削除のところをクリックすれば、嫌でも削除の仕方はわかりますよ。
Associated Press Newsはプリンストン大学のポスドク研究員 Gunes Acarさんに頼んで、携帯のロケーション履歴をOFFにしてNYを数日まわり、回収されたアクティビティのデータをここに公開しています。これを同大学のコンピュータサイエンティストで元FCC調査部門技術担当チーフであるJonathan Mayerさんに見てもらったところ、「これじゃいかん。“ロケーション履歴”と名のつくものをOFFにするからには、全履歴がOFFにならないとおかしい」と言われたそうですよ?
これだけの情報をもってGoogleに取材したところ、彼らはあっさり情報を回収している事実を認め、こんな風にAssociated Press Newsに説明しました。
むびょ~ん。いやま、そりゃそうかもしれないけど、はきはき説明して、きびきび切り替えられるなら、ややこしくていいかというと、そんなことないですよね。だいたいGoogleは設定、メニュー、説明、ポップアップ、利用規約、プライバシー規約が山のようにあり過ぎるんですよ。 誰が見たってややこしいわコレ。頭回る~。
Associated Press Newsの実験では、「Googleアプリからロケーション履歴に位置情報は保存されなくなります」とポップアップで表示されました。米GizmodoがGoogleの回収データを調べてロケーション履歴を全部OFFにする実験をiPhoneでやってみたところ、もう少しこの説明は長くて、位置情報の回収を続けることは多少わかる文章になっていました。Associated Press Newsとは設定手順が違ったからかもしれません。
確かに、ロケーション履歴をGoogle独自の定義で見た場合、これは間違ってはないんですよね…。
なんで位置情報追跡の設定がこんなに細かく分かれてしまったのか、説明は元からこうでしたっけ?という辺りをGoogleに尋ねてみたところ、上記の原稿公開後、次のような回答が返ってきました。
やっぱり「ロケーション履歴」はわれわれが考えるような「位置情報の履歴」ではなく、あの誰も見ない位置履歴の非公開マップを指すようです。いやあ、このアイコンと説明考えた人は天才だ…。
Source: Associated Press News, Google(1, 2)
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