W2363V-WF | |
液晶サイズ | 23型 |
パネル方式 | TN方式 |
表示解像度 | 1,920×1,080ドット |
アスペクト比 | 16:9 |
画素ピッチ | 0.265×0.265mm |
表面処理 | ノングレア |
バックライト方式 | 冷陰極管 |
応答速度 | 2ms(中間色) |
コントラスト比 | 「F-Engine」 オン時 70,000:1、標準時 1,000:1 |
視野角 | 上下160度/左右170度 |
輝度 | 300cd/平方m |
表示色 | 1,670万色 |
走査周波数 | 水平:30kHz~83kHz(アナログ・デジタル・HDMI)垂直:56Hz~75Hz(アナログ・デジタル) 56Hz~61Hz(HDMI) |
チルト角度 | 下5度~上15度 |
高さ調節 | なし |
スイベル | なし |
ピボット機能 | なし |
入力端子 | ミニD-Sub15ピン×1DVI-D(HDCP対応)×1HDMI×2コンポーネントビデオ×1アナログ音声入力 ステレオピンジャック×1アナログ音声入力 ステレオミニジャック×1 |
出力端子 | ヘッドフォン出力×1 |
スピーカー | なし |
VESAマウント | 対応 |
電源 | 内蔵 |
消費電力 | 標準42W |
付属品 | ミニD-Sub15ピンケーブルDVI-Dケーブル電源ケーブルドライバ・マニュアルディスク |
本体サイズ | 555.5×205.9×419.2mm(幅×奥行き×高さ) |
重量 | 5.16kg |
LG Electronics Japanの「W2363V-WF」は、同社として初となるゲーマー向け液晶ディスプレイだ。映像信号に対する各種処理過程をスルーさせることで、映像入力から画面への表示までにかかるタイムラグ(いわゆる“遅延”)を最小限に抑えている。製品は発売中で、実売価格は30,000円前後。
●本体デザインLG Electronics Japanの液晶ディスプレイは、以前取り上げた「W2486L-PF」のように、本体デザインに曲線を多く取り入れる点が特徴となっている。W2363V-WFでも、本体背面やスタンド、側面から見た本体下部などに曲線のデザインが取り入れられてはいるものの、正面から見ると直線的なデザインというイメージだ。また、ベゼル部分のカラーはホワイトが基調で、光沢処理は施されておらず、ベゼル周囲や下部にブラックのアクセントが取り入れられている点以外は凝った装飾もなく、比較的落ち着いた印象だ。
本体サイズは、555.5×205.9×419.2mm(幅×奥行き×高さ)。極端な狭額ベゼルではないものの、23型ワイド液晶を搭載する液晶ディスプレイとしてほぼ標準的なサイズだ。
液晶画面は、下5度上、上15度の範囲でチルト角を調節できる。チルト角の調節にはそれほど強い力は必要なく、液晶画面がぐらつくこともない。ただ、スタンド部分には高さ調節やスイベル機構は盛り込まれていない。スタンドは楕円形で、底面のネジでアームに固定するという構造になっている。
電源やOSD操作、表示モード、入力切り替えなどのボタンは、液晶画面右下に用意されている。これらボタンは全てタッチセンサー方式を採用。このタッチセンサーは反応が良く、軽快な操作が可能だった。また、これらタッチセンサーの下には、液晶最下部中央付近に用意されており、入力音声に対応して光る、レベルメーターのようなLEDイルミネーション「Tru-LIGHT」の動作モードを切り替える専用スイッチが用意されている。動作モードは、「ゲーム」、「ムービー」、「音楽」の3種類を用意し、動作をOFFに設定することも可能。こちらはタッチセンサーではなく、レバー型の物理的なスイッチを採用している。
●液晶パネル1,920×1,080ドット表示対応の、23型ワイド液晶を搭載。パネルの方式はTN方式を採用。応答速度は2ms、視野角は上下160度/左右170度。輝度は300cd/平方m。パネル表面は非光沢処理が施されている。
●接続端子映像入力端子は、ミニD-Sub15ピン×1系統、DVI-D(HDCP対応)×1系統、HDMI×2系統、コンポーネントビデオ×1系統の全5系統を用意。2系統のHDMI端子は左側面に、その他の端子は本体背面下部にそれぞれ配置されている。
音声入力端子は、PC入力用としてステレオミニジャックが1系統(ミニD-Sub15ピンとDVI-D共用)と、コンポーネントビデオ入力用としてRCAピンジャック L/Rが1系統。HDMI端子からの音声入力も可能で、HDMIも含めれば全部で4系統の音声入力が可能となる。ただし、音声出力端子は、本体左側面下部のヘッドフォン出力端子のみで、ライン出力端子は用意されていない。PCゲームや家庭用ゲーム機のゲームでは、5.1chなどのマルチチャンネル音声に対応しているものが多く、PCやゲーム機に直接マルチチャンネルスピーカーを接続する場合が多いとはいえ、せっかく豊富に音声を入力できる仕様になっているのだから、やはりスピーカー接続用の音声出力端子も用意してもらいたかったと思う。
●OSDOSDの設定メニュー構成は、他のLG Electronics Japan製液晶ディスプレイのものとほぼ同じとなっている。画面右下のタッチセンサーボタンの「MENU」ボタンを押すことで表示されるメインのOSDメニューでは、液晶輝度やコントラスト、色合いなどの調節が行なえる。また、ゲームコントローラアイコンのボタンを押すと「G-MODE」という設定メニューが表示され、「THRU MODE」の設定や、拡大表示モード、自動輝度調節機能、3Dサウンド再生機能などの設定が行なえる。このうち、THRU MODEを「ON」に設定することで、映像信号への処理過程がカットされ、遅延を最小限に抑えた表示が可能となる。また、拡大表示モードでは、入力信号をドットバイドットで表示するモードと、アスペクト比を保ったまま拡大表示するモード、アスペクト比を無視し全画面に引き延ばして表示するモードが用意されている。ただし、THRU MODEをONに設定している場合には、この拡大表示モードは利用できなくなる。
OSDの操作は、基本的にはタッチセンサーの「▲」「▼」ボタンで項目を変更し、「AUTO/SET」ボタンで内容の変更や決定となるが、メインメニュー内では、「AUTO/SET」ボタンで項目を変更し、「▲」「▼」ボタンで内容を決定するというように、ボタンの役割が入れ替わってしまう。メインメニュー内では、スライドバーによる輝度や色合いの調節を行なう項目が多いことによる措置と思われるが、やはり場面によって操作性が変わるのは扱いにくい。この点に関しては改善を期待したい。
●画質入力信号の表示遅延を最小限に抑える「THRU MODE」の効果は、かなり高い。実際に、PCや家庭用ゲーム機を接続するなどして、アクションゲームやレースゲームなど、遅延にシビアなゲームをいくつかプレイしてみたが、THRU MODEをOFFにした状態では、コントローラ操作と表示映像の間に若干のタイムラグが発生し、シビアなコントロールは厳しいという印象だった。それに対し、THRU MODEをONに設定すると、タイムラグを全く感じなくなり、非常に快適なプレイが可能となった。ゲームプレイ時に欠かせない機能と言っていいだろう。
また、最小限の遅延に加えて、中間色で2msという高速な応答速度により、ゲームなどの高速描画の画像もブレや残像もかなり少なく抑えられている。全く感じないというわけではないものの、ゲームプレイ時に残像が気になってプレイに支障を来すことはほぼ無いと考えていい。加えて、液晶パネル表面が非光沢処理となっているため、照明などの外光の映り込みが全く気にならない点も、快適なゲームプレイという意味で大きな利点だ。
全体的な表示品質自体は、TN方式の液晶パネルを採用する低価格ディスプレイとほぼ同等だ。視点をパネル前で上下に移動させると色合いの変化を感じる点はやや気になるが、色合いの鮮やかさや輝度の高さなどは十分優れている。もちろん、VA方式やIPS方式のパネルを採用する高画質ディスプレイと比較すると発色性能は劣るが、シビアな発色を必要とする用途でもない限り、特に問題になることはないはずだ。
表示画質や機能面などは、同価格帯の液晶ディスプレイとほぼ同じレベルで、コストパフォーマンスは十分に優れている。その上で、THRU MODEが用意されていることにより、ゲームプレイへの対応は他の製品を圧倒。PCや家庭用ゲーム機を接続し、ゲームを快適にプレイしたいという人に、広くおすすめしたい製品だ。
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