「ペンタブレット」(ペンタブ)というパソコン周辺機器を知っているだろうか。マウスではなくペン型のデバイスを使い、手書き感覚で書き込みやクリックといった入力を行う機器だ。
絵を描くのに使うイメージも強いが、実はビジネスシーンで会議を行うような時にも役に立つ。新型コロナウイルス禍で在宅ワークが増えた中、活躍できる場も増えているようだ。
ペンタブメーカー「ワコム」のデバイスでは、2021年から米グーグルのOS(基本ソフト)を搭載したノートパソコン「Chromebook」の対応製品として認定を受けたものが順次登場している。
一般的に、外部機器をパソコンで接続し利用するには「ドライバ」と呼ばれるソフトウェアが必要になることが多い。ドライバのインストールにかかる時間はソフトウェア次第だが、周辺機器を購入してもすぐには使えないことになる。
一方で、Chromebookに対応したワコムのペンタブであれば、ドライバの導入は不要。ペンタブを繋げばすぐに機器として認識され、操作が可能に。パソコンが「描けるツール」に早変わりする。
記者は、ワコムの「Wacom Intuos Small ベーシック」というペンタブを入手した。これも「Chromebook」対応製品の一つ。USBでChrombookにつなぎ、タブレットの上にペンを走らせれば、マウスの代わりとして自由自在に動く。このペンタブ、ウェブ会議でも活用できるのだ。
グーグルが提供しているビデオ会議ツール「Google Meet」では、会議中に「Jamboard」という仮想ホワイトボードを起動できる。ボードへの書き込みには複数人が同時に参加可能だ。新しく作ったホワイトボードを相手に共有すれば、会議をしながら視覚的にアイデアなどをまとめられる。ペンタブを使えば、手書き感覚でボードに入力できる。
実際に試すと、ボードへ入力した瞬間から1秒ほどの時差を経て、相手の画面にも書き込んだ線が表示された。通話しながらペンタブと「Jamboard」を使えば、他の参加者と実際の会議室でホワイトボードに書き込んでいるかのようにミーティングができる。
他の「ペンタブ」活用方法について、ワコムの広報に取材した。担当者によると、オフィス向けソフトシリーズ「Microsoft Office」でもペンタブが使える。プレゼンテーション資料を作る「PowerPoint」や文書ツール「Word」に手書き感覚で書き込めるため、社内で文書の校閲や訂正の指示をするのにも役立つという。PDFの文書ファイルを編集できる「Adobe Acrobat」でも、ペンタブで書き込みが可能だ。
なお、今回の「Wacom Intuos Small ベーシック」の他にChromebook対応認定を受けているのは「One by Wacom」というペンタブだ。こちらも Chromebookにつなげばドライバ不要ですぐに使える。
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