新型コロナウイルス感染拡大の影響で、すっかり生活様式が変わってしまった方も多いのではないでしょうか。AmazonプライムやNetflix、YouTubeなどのストリーミング動画視聴や、Zoom、Microsoft Teams、Googleハングアウトなどに代表されるビデオ会議、近年驚くほど進化を遂げている『ファイナルファンタジー』などのオンラインゲーム等では、ネット回線の速度が十分でないと、大事な場面や会議が中断したり、ゲームの操作に支障が出たりして、ストレスを感じることがあります。
さらには極端な例ですが、オンライントレードなどの金融取引のタイミングに影響が出て、利益や損失の幅が変わることもあり得ます。
Googleのスピードテストで事前に回線の速度を確認しておけば、「自分のスマホやパソコン(PC)が繋がっている回線が安定しているかどうか」を確認することができます。ゲームや動画のスピードに不安を感じたことのある方は、ぜひ一度試してみてください。
目次「Googleスピードテスト」とは?「Googleスピードテスト」の使い方快適なインターネット速度の目安はどれくらい?「Googleスピードテスト」を使う際の注意点まとめ
いまやそれ無しの生活は考えにくいほど私たちの生活に浸透したインターネットですが、ネット回線の速度が遅いと感じる場合、Googleが提供するインターネット速度テストを使用して、速度が速いか遅いのかを簡単にテストできます。用途に合った最適な通信速度を把握することで、より快適にネットを利用しましょう。
テストにはダウンロード速度とアップロード速度があります。ダウンロード速度はYouTubeなどのストリーミング動画の視聴に大きく影響します。アップロード速度はそれに加えて、オンラインゲームの対戦成績やZoomなどのビデオ・音声通話の品質に影響します。
Googleのヘルプサイトをみると、「Googleホーム」というアプリを使って計測する例が提示されていますが、アプリのインストールが必要だったり、設定に不慣れな人には敷居が高い場合も…。ここでは、PCでもスマホからでも簡単に測定できる方法をご紹介します。
PC、スマホとも、Googleの検索画面でスピードテストと入力し検索してください。下図のような結果がでましたら、「速度テストを実行」ボタンを押します。(画像を見やすいようにブラウザの背景を黒の設定にしてあります)
速度計測中は下図のような計測画面になります。
計測結果は下図のように表示されます。2021年10月現在、これはPCでもスマホでも同じ画面になっています。レイテンシとは「待ち時間」や「反応時間」の意味です。このテストでは東京のサーバに接続しているようです。詳細を押すとGoogleのヘルプサイトが表示されます。
速度はMbps(メガビット・パー・セカント)という単位を使います。例えば、ダウンロード速度が 45 Mbps の場合、YouTube サーバーからその家に 1秒間に45メガビットのデータを転送できます。
Googleが推奨するダウンロード速度は次表の通りです。
Zoomでの会議の場合、2020年11月現在、1080pHDビデオ品質で1対1ビデオ通話の場合1.8Mbps(ダウンロード・アップロードとも)以上、グループビデオで受信2.5Mbps、発信3.0Mbps(同)が推奨されています。
テレワークの場合、業務内容によってまったく条件が異なりますが、一般にはまだ4K品質での会議は少ないでしょうから、上表の13~25Mbps程度の速度が出ていれば大丈夫でしょう。
Googleスピードテストに限らず、ほとんどのオンライン速度テストでは、PCやスマホなどの個人用デバイスと不特定のサーバーとの間の速度をチェックします。そして、テストの結果は次のような要因によって異なります。
Googleスピードテストの場合、PCのルーターやスマホのWi-Fi ポイントと Google のサーバーとの間の速度を測定します。最寄りのサーバーではなく、よく利用されるサーバー(YouTube サーバーなど)に対する速度をテストすることで、日常のインターネット使用に即した測定値が得られるというのが Googleのスタンスです。従って、自宅で測定する場合は、比較的安定した(一定の)結果が得られる可能性が高くなります。
気を付けなければならないのは、ISPとは早い回線契約を結んでいるのに速度が出ない場合、その回線速度に対応できていないルーターやハブ(LANの分配装置)、LANケーブルを意図せず家庭内で使っている可能性があることです。何年も前から使っている機器や配線がある場合は、そちらを疑ってみる必要もあります。
逆に、高価なルーターを使用していても、ISP が提供しているインターネット接続が遅ければ、パフォーマンスも低くなります。回線速度はインターネットへの接続環境全体で考える必要があります。
Googleスピードテスト以外のサービスの場合、自動的に最寄りのサーバーを選択するテストもあれば、ユーザーが複数のサーバーから選択するテストもあります。動画ストリーミングサービスが提供しているスピードテストであれば、そのストリーミングサービスのサーバとの接続速度を測定することもあるようです。いずれの場合も、距離や契約回線によって結果が異なります。現在地に近いサーバーに対してテストすれば速くなり、遠いサーバーであれば遅くなります。このように条件が変わると、毎日の使用状況で実感している速度とテスト結果が一致しないこともあります。
また、外出先でスマホやPCの公衆Wi-Fiを使って計測する場合は、当然その場の環境によって大きく結果が異なります。
家庭内や地域の環境によっても接続速度は変わります。子供が何人もいる家庭で、学校から帰ってきた子供たちが一斉にネットゲームや動画視聴を始めると、その家庭内の接続速度は一気に下がります。その地域内に、テレワークを始めた人が多い場合は、もしかしたら以前よりも接続速度が落ちているかもしれません。
ISPは利用者の多い地域には、より多くの設備投資をしますが、利用者の少ない地域に対しては、あまり設備投資をしないのが原則です。接続速度には実に様々な要因が関係しています。
Googleのスピードテストが表示されない場合は以下の対処法を試してみましょう。
繰り返しになりますが、スピードテストはあくまでも目安です。時間帯や日によって大きく変わることがありますし、銀行ですらATMに通信障害を起こすことがあるわけですから、IPSがトラブルを起こすことだってあるのです。
一度のチェックだけで自分の環境を判断せずに、タイミングを変えてテストを実施し、その結果、自分が必要と思える速度が出ていない場合は、契約しているIPSに問い合わせてみましょう。
●執筆/田尻 良(たじり りょう)
1983年、アルバイト先のために独学でレジ清算プログラムを作成。まだ白のマスクしか無い2006年にプリント柄のマスクカバーを発表。任天堂DS用ソフト「介護ナビDS」やインフルエンザ検定試験などを企画。依頼された人事管理システムを作るため、50歳から新たにコンピュータ言語を習得し構築。誰にでもわかりやすく教える能力が評価され、コンピュータ専門学校と短大にてプログラミングや情報システム論などを教えている。ノーネクタイ用アクセサリ「プラケッティ」を企画中。株式会社ケッツ(https://kets.co.jp)
●構成/京都メディアライン・https://kyotomedialine.com
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