実売で1万円を下回るエントリークラスのWi-Fi 6ルータ「WSR-1800AX4」。発売は2020年6月だが、ファームウェアアップデートでWi-Fi EasyMesh対応を実現
このWSR-1800AX4に、6月13日から配布が始まった最新ファームウェアを導入すると、Wi-Fi EasyMeshに対応となる。とはいえ特に面倒なことはなく、Webブラウザでアクセスする設定メニューから、通常どおりにファームウェアをアップデートするだけでいい。今回の試用機は、Wi-Fi EasyMesh対応の最新ファームウェアを導入した状態で届いたが、旧バージョンのファームウェアからアップデートする場合でも、その時点でのWi-Fi設定などが消えることはない。ファームウェアのアップデートによって、使っている状態を維持したままにWi-Fi EasyMesh対応が実現される。
メッシュネットワークは、2台以上の対応Wi-Fiルータや中継機を組み合わせて構築する必要がある。そのため、Wi-Fiルータ×1台のみで利用している場合は、ファームウェアアップデートでWi-Fi EasyMeshに対応しても、アップデート前と何も変わらない。
バッファローによるが行ったWi-Fi EasyMesh対応では、機能の提供だけでなく、利便性がしっかり考慮されている点も大きな特徴だ。
メッシュネットワークは、「コントローラ」と呼ばれる親機となる1台のルータと、「エージェント」と呼ばれる子機となる1台以上のルータまたは中継機で構成される。ここでいう「子機」は、パソコンやスマホなどWi-Fiルータに接続する端末とは別のものだ。そのため、メッシュネットワークを構築する場合には、どれをコントローラ(またはエージェント)として利用するかをきちんと設定する必要があり、多くの場合は設定メニューでその指定を行う。
バッファローのWi-Fi EasyMesh対応製品でも、1台のコントローラと1台以上のエージェントの組み合わせでメッシュネットワークを構築するのは同じだ。ただ、背面に用意されている動作モードを切り替えるスライドスイッチを利用してコントローラとエージェントを指定したうえで、双方のLANコネクタをLANケーブルで接続するだけでよくなっている(双方のAOSSボタンを押しても設定できるが、バッファローはLANケーブルで接続するほうが簡単かつすばやい設定が可能としている)。つまり、WebブラウザからWi-Fiルータの設定メニューにアクセスしなくても、設定が行えるわけだ。具体的な設定手順は次のとおり。
まず、コントローラに設定する場合は背面の「MANUAL/AUTO」スイッチを「AUTO」、エージェントに設定する場合は「ROUTER/AP/WB」スイッチを「WB」、さらに「MANUAL/AUTO」スイッチを「MANUAL」に切り替える。コントローラ側のスイッチ位置は工場出荷時と同じなので、購入後に変更していなければ切り替える必要はない。ほとんどの場合、エージェント側のみ切り替え作業が発生すると考えていいだろう。
次に、エージェントとコントローラの電源を入れて起動し、コントローラ側で通常のWi-Fiルータと同じようにISPの接続設定などを終わらせておく。
続いてコントローラ前面の「POWER」LEDが緑に、「WIRELESS」LEDがオレンジに点灯していることを確認したら、エージェントとコントローラのLANポートをLANケーブルで接続。するとコントローラの設定がエージェントに転送され、アクセスポイント名の設定などが自動的に完了する。バッファローによると、この作業にかかる時間は約20秒だ。
エージェント側のルータ前面にある「WIRELESS」LEDが緑で点灯すれば、すべての作業が完了した合図となる。あとは、コントローラ、エージェントを目的の場所に設置して、設定および設置作業は完了だ。
実際にこの一連の設定作業を行ってみたが、はっきり言って難しいと感じる部分はまったくない。LANケーブルを接続した設定では、エージェントの設定はLANケーブルを接続してから10秒かからず終了した。コントローラ側の設定内容によってはもう少し時間がかかる場合もあるのかもしれないが、基本的にはあっという間に設定は終了するだろう。
これから新たにWi-Fi EasyMesh対応ルータを購入してメッシュネットワークを構築するという場合には、エージェント側でISPとの接続設定やセキュリティ設定なども行う必要があるが、その作業はWi-Fiルータ導入時に必ず発生するものだ。少なくとも、Wi-Fi EasyMesh対応のバッファロー製品でメッシュネットワークを構築するには、それほど詳しくない人でも戸惑うことなく設定できると言える。
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