(写真:ファミ通.com)
文・取材:ででお プラチナゲームズから2022年2月22日にNintendo Switch、プレイステーション4、PC(Steam)にて発売予定の縦スクロールシューティング『ソルクレスタ』。ひと足早く製品版をプレイする機会をいただけたので、その模様をリポートする。なお、筆者はシューティングゲームは縦、横問わず40年近くさまざまなタイトルをプレイしてきたので、それなりに舌が肥えているつもりだ。忖度抜きでの感想を書いていこうと思う。【記事の画像(34枚)】を見る『ソルクレスタ』ゲーセン ミカド×プラチナゲームズ特別生放送リポート。「もともとアーケードゲームだったのでは?」と錯覚した!https://www.famitsu.com/news/202202/15251405.html随所に感じられる“ネオ-クラシック・アーケード”ならではのこだわり 『ソルクレスタ』は縦スクロールタイプのシューティングゲームではあるが、“ネオ-クラシック・アーケード”第1弾と銘打っており、さらに『ムーンクレスタ』や『テラクレスタ』(※)などの流れをくむ“クレスタ・サーガ”最終章となるタイトルとのこと。何やら壮大な売り文句で、単なる続編やリブートではなさそうだが……。過剰に期待してしまわないよう、深呼吸して冷静になってからソフトを立ち上げた。※それぞれ1980年、1985年にそれぞれ日本物産(ニチブツ)よりリリースしたアーケードゲーム。 タイトル画面で目を引いたのは画面中央の“INSERT COIN(S)”と右下の“CREDIT 00”。東京と大阪のゲームセンターで無料の試遊台が置かれているので、筐体で試遊された方もいるとは思うが、最新の家庭用ゲームなのに“アーケードからの移植感”が強く、ゲームセンターに置かれていてもまったく違和感がない。 まずはメインメニューからチェック。メインの“MISSION”を遊ぶ前に、“SPECIAL”と“OPTION”の項目を見てみることに。SPECIAL この項目では“ACHIEVEMENTS”が確認できた。いわゆる実績が閲覧できる項目で、プレイを重ねていくと“SOUND TEST”や“CARAVAN MODE”などが追加されていく仕組み。なかには、特定の条件を満たしてステージクリアーすると解放される実績もあるようだ。OPTION オプションメニューで設定できる項目は以下の通り。ディスプレイ設定ゲーム設定ボタン設定マニュアル全ての設定を初期化言語設定 ディスプレイ設定では、ディスプレイの向きを左右へ90度回転させる機能を確認できた。また、スキャンライン(※)のON/OFFおよびスキャンラインの濃さを設定可能。ここでも“ブラウン管時代のアーケードゲームの移植感”を感じられるとは……何というこだわり!※ブラウン管の走査線を模したエフェクト。 ゲーム設定では初期プレイヤー数やエクステンド設定、そしてサウンドボリュームを確認。ゆるく遊びたい方は、初期プレイヤー数を最大6まで増やすのもアリだろう。サウンドボリュームの項目ではマスター音量、BGM音量、SE音量、ボイス音量をそれぞれ個別に設定できた。 マニュアルは、インストラクションカード(※)風のゲーム説明が3ページにわたって書かれている。本作は細かい要素がとにかく多いが、これを見ればよくわかる。※アーケードゲームで筐体に貼ってある説明書。 言語設定は日本語と英語のどちらかを設定可能。英語に設定するとオプションメニュー内の選択肢や、ドラマティックモード内の字幕が英語になるが、音声は日本語のまま。 マニュアルにひと通り目を通したので、いよいよ“MISSION”を選択。選択肢は“ARCADE MODE”と“DRAMATIC MODE”があり、前者は純粋にシューティングゲーム部分を楽しめるモード、後者は『ソルクレスタ ドラマティックDLC』または『ソルクレスタ ドラマティックエディション』に収録されているもの。 今回試遊したのは『ソルクレスタ ドラマティックエディション』なので、アーケードモードとドラマティックモードの両方をプレイしてみた。難易度は以下のように選べたが、どちらもNORMALを選択。アーケードモードの難易度VERY EASYEASYNORMALHARD(最初は選択不可)???(最初は選択不可)ドラマティックモードの難易度EASYNORMAL分離・合体が何よりも楽しい! 自機は壱號機“アマテラス”。基地が敵に破壊されて、たった1機で脱出するシーンから始まった。まずは小手調べとばかりに敵機がつぎつぎと出現。こいつらは『ムーンクレスタ』の序盤に登場した分裂する機体で、懐かしさに思わずニヤリ。敵機を撃墜すると“ソルメダル”が出て、これを集めることで自機がパワーアップしたり、“SPゲージ”(後述)の最大値が増えたりする模様。 また、編隊を組んだ敵機のうち、赤い機体を撃墜すると、アイテム“ソルエンブレム”が出た。これを取ることで弐號機“ツクヨミ”、参號機“スサノオ”が助けに来てくれるようだ。ソルメダルやソルエンブレムは出現後画面下に落下していくが、近づくだけで吸い込んで取得できる。こういった、地味ながら快適に遊ばせてくれる作りは高く評価したい。 そのほかの重要なアイテムとしては、“フォーメーションチップ”があり、弾を当てるごとにチップの色が変化して上へ跳ね上がる。文章で書くとわかりづらいが、『ツインビー』のベルみたいなものだと思ってほしい。フォーメーションは6種類(2機のみのものを加えると全9種)あり、どれも強力だ。なお、赤い三角形のフォーメーション(???)のチップは存在せず、ほかのフォーメーションチップ5種類を揃えることで自動的に取得できる仕組み。 選り好みせず適当に取得してもいいが、筆者は使い勝手のよさそうな逆三角(デルタフォーメーション)や横並び(ムーンフォーメーション)を優先して取り、残りは取っていないフォーメーションを選ぶことにした。敵と戦いながらチップの色を調整するときにアワアワしがちだが、それもまた楽しい。 基本操作に慣れつつあるところで、敵の地上物が増えてきた。“X”の形をした地上物は『テラクレスタ』でおなじみの……(と、あまり懐かしさを主張しすぎるとヤングな読者にドン引きされてしまうので、以降は自粛しておく)。改めて、このX型の地上物は壱號機の弾では破壊できない材質でできているようだ。そこで、参號機が先頭になるようにフォーメーションを組み換えてみたところ、参號機のドリルで敵の破壊に成功。 この分離・合体の操作こそが本作のキモだと思う。分離と合体に使うボタンは共通なので、操作は非常にシンプルなうえ、分離中はスローモーションがかかるため落ち着いて順番を入れ換えられる。最初こそモタモタと確かめながら操作していたが、少し慣れたら思い通りのフォーメーションを組めるようになり、楽しさが倍増した。分離のスローモーションもとくにデメリットがなく、敵弾を避ける際にも利用しまくれるあたり、快適さを重視して調整を行ったことがうかがえる。道中でもボス戦でも有効なフォーメーション攻撃 いろいろなフォーメーションを試しつつ進んでいると、警告演出とともにステージ1の中ボスが登場。ふつうに戦っても勝てそうではあったが、画面下のほうまで降りてきたのでフォーメーション攻撃のひとつ“ビームフォーメーション”を斜め下に放って応戦したところ、あっさり撃破できた。フォーメーション攻撃をくり出すには画面左側のSPゲージ(最大3つまである円状のゲージ)を消費するが、敵を攻撃するたびに増えるので、遠慮せずどんどん使ってよさそうだ。何よりも爽快感が半端ない! 道中では、さまざまなフォーメーション攻撃をくり出してみた。上下に強い“ムーンフォーメーション”が使いやすいと感じたが、画面左右端の敵に攻撃が当たらなかったりしたので、本格的に攻略するとなると使い分けが重要になりそうだ。 再度警告の演出が出て、敵の“ブリハス”が操る巨大な戦艦が登場。迫力に圧倒されつつも応戦していると、けっこうな量の敵弾がバラ撒かれた。ここだけ読むと「最初のステージなのに難しそう……」と誤解されるかもしれないが、本作ではさまざまな対抗手段が用意されている。分離時のスローモーションを利用して回避してもいいが、せっかくなのでとっておきのフォーメーション攻撃を使ってみることに。 ステージ1のボスを無事倒せたが、これでステージクリアーではなく、敵施設“ヴァイクン”が最後に控えている。ヴァイクンは多少弾を撃ってくるものの、シュクラーやブリハスなどのボスに比べたらほぼ無抵抗に近い。難なく破壊してステージ1クリアー。ステージごとにパワーアップはリセット! 育てる楽しさが毎回味わえる システムに慣れてきたところでステージ2に突入。ステージ1ではすべてのフォーメーション攻撃を手に入れるまでパワーアップできたが、ステージ開始時にそれらのパワーアップはリセットされる(その代わり、撃墜されてもパワーダウンしない)。 このシステムは、一般的なシューティングゲームでの“フルパワーアップしたままのマンネリ化”や、“パワーダウンしたときの絶望感”を考えてのものだろうか。ミス時の復活パターン作りが好きな方もいると思うので意見が分かれそうだが、少なくとも筆者は自機が徐々に強くなっていく過程が好きなのでアリだと思う。 ステージ2は硬い敵や壊せない地形などが出てきて、徐々に手応えを感じてきた。フォーメーション攻撃だけでなく、レバーとボタンの組み合わせでくり出す“コマンドショット”や、ボタンの長押しで出す“チャージショット”なども使ってみた。チャージショットは“2番目にドッキングしている機体”によって変わるのがおもしろい。 たとえば壱號機のメインショットを主力に戦いたい場合は壱號機、弐號機、参號機の順番でも、壱號機、参號機、弐號機の順番でも一見ほぼ変わらないが(※)、「敵が多くて狙う余裕がない」という場合はあらかじめ弐號機を2番目に合体させておきたい。※一応、3番目の機体のショットがサブウエポン的に発射されるため、厳密に言うと違いがある。チャージショットの特性壱號機が2番目 → 前方に強い極太レーザー“メガレーザー”を放つ。弐號機が2番目 → 大量のホーミングミサイルを同時発射する“フルバースト”をくり出す。参號機が2番目 → 自機の正面の敵弾を消せる“ギガドリル”を出す。 チャージショットはフォーメーション攻撃と同様にSPゲージを消費するが、メインショットと併用可能なので使いやすい。ちなみにフォーメーション攻撃は円形のSPゲージを1本まるまる消費するのに対し、チャージショットはSPゲージの3分の1しか使わない。どちらを使うかは考えどころだが、選択肢が多すぎて迷うのもまた、本作の醍醐味か。 チャージショットを多用しつつステージ2を進んでいくと、自機と同じくらいの大きさの中ボス“M-アルファ号”が登場。レーザーや体当たりなど、バリエーション豊かな攻撃に苦戦しつつも撃破できたが、かなり意味ありげな敵なので、世界設定やストーリーが気になる方はドラマティックモードでプレイすることをオススメする。 ステージ2の後半は電磁バリアのようなものを止めつつ、動く壁の地形を慎重に抜けていくことになる。スクロールがやや早めで緊張しつつも、分離時のスローモーションを活用して進んでいった。 広い地形に出ると、ステルス迷彩をまとった正体不明機が出現し、自機を援護してくれた。ネタバレ配慮のため詳細は控えるが、謎めいた演出が徐々に明かされていくストーリー構成も本作の魅力のひとつだ。 そしてステージ2のボス“ラフー”が画面後方から出現。大きい図体で画面内を縦横無尽に動き回るため苦戦を強いられたが、ここに来るまでにフォーメーションを揃えてSPゲージも潤沢にあったため、フォーメーション攻撃を駆使して何とか撃破できた。クリアーしてからが本番!? スコアアタックも熱い ここまでで書いていない要素について触れておこう。ソルエンブレムやフォーメーションチップなどが入った、赤、青、黄色の補給コンテナが出現することがあるが、これらは同色の機体のメインショットや、フォーメーション攻撃などで破壊可能。効率よくアイテムを回収するためにフォーメーションのパターンを作るのもおもしろそうだ。 同じく色関連で、赤、青、黄色の“ソルリング”は得点ギミックになっている。色を無視してリングを潜ると低い得点しか入らないが、リングと同じ色の機体(赤いソルリングなら壱號機)を先頭にしてリングを潜ると高得点を獲得できる。ソルリングは各ステージに多数配置されているため、スコアアタック勢は絶対に無視できない要素だろう。 本作にはほかにもさまざまなギミックが隠されており、特定の条件を満たすとスペシャルボーナスを獲得できる。システムを把握してきたら、隠されたボーナスを探すのも楽しいだろう。 まずは全ステージクリアーを目指してプレイしてもいいが、稼ぎプレイもかなり熱いと感じたので、ぜひ皆さんもキャラバンモードやスコアアタックに参戦してほしい。 最後に、ステージ3のプレイ動画を用意した。筆者の拙いプレイだが、参考になれば幸いだ。※動画は一部ネタバレを含みます。シューティングゲームが苦手な方にもオススメ! もともとシューティングゲーム好きな筆者は本作を十二分に楽しめているが、じつはシューティングゲームに対して「プラチナゲームズのゲームだし、難しいんでしょ?」、「自分の腕ではどうせクリアーできない」とあきらめがちな方にもオススメ。なぜなら、残機もどんどんエクステンドするおかげで、筆者は初見プレイでステージ7のボスまで到達できたからだ(※)。後半のステージこそ手応えはあるものの、全体的に見ればマイルドなバランスだと思う。かといって物足りないわけではなく、前述の通りスコアアタックは熱いし、HARD以上の難易度も用意されているので、その筋の方もご安心を。※難易度はノーマルでプレイ。 難易度を下げればシールドが自動回復する機能もつき(※)、さらに設定で残機を増やせば、おそらく誰でもエンディングは到達できると思う。ドラマティックモードでプレイすれば、アニメ映画を観ている感覚で楽しめるので、ぜひユルく堪能してほしい。※アーケードモードのEASY、VERY EASYおよびドラマティックモードのEASYが対象。
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