この記事は、ESET社が運営するマルウェアやセキュリティに関する情報サイト「Welivesecurity」の記事を翻訳したものである。
Twitterは人気のあるSNSの一つであり、2021年3月21日に設立15周年を迎えた。このSNSは人々の暮らしに多大な影響を与えたと言っても過言ではないだろう。この15年の間に、世界情勢やスポーツの勝敗、あるいは新型コロナへの対応に至るまで、あらゆる情報収集をTwitterで行うようになった。
しかし、他のSNSと同様、Twitterにもネット荒らしやネットいじめなど、様々なリスクが存在する。本記事では、Twitterアカウントがハッキングされるのを防いだり、安全にツイートしたりするための簡単な手順を紹介する。
アカウントに対するセキュリティを強化するには、基本的なことから始めるのが一番だ。まず、パスワードやパスフレーズを作成する際、よくある間違いを犯さないようにしよう。また、アカウントの設定画面で「セキュリティとアカウントアクセス」を開き、二要素認証(2FA)を有効にしよう。二要素認証は、複数の認証手段から選択でき、テキストメッセージが初期設定となっている。なお、認証アプリかセキュリティキーを選択する方が遥かに安全なため、いずれかを指定するのが望ましいだろう。何らかの理由で二要素認証が利用できない場合は、一回限りのバックアップコードを用いるか、ワンタイムパスワード(OTP)を使うことも可能だ。これらを有効化すれば、Twitterアカウントをハッキングから保護できる。
Twitterの内容をすべての人に見せる必要はあるだろうか? そこで、ツイートの保護機能の出番である。設定の「プライバシーとセキュリティ」で有効化すれば、ツイートの閲覧をフォロワーのみに限定することができる。つまり、あなたを既にフォローしているアカウントは、あなたがブロックしない限り、保護されたツイートを閲覧し、リアクションが可能となる。一方、同じようなことをしたい新規のフォロワーは、あなたの承認を得る必要がある。
位置情報を有効化している場合、Twitterではツイートに位置情報を付加できる。この機能の説明を見ると、「TwitterがGPSを含む正確な位置情報を収集・保存・使用することを許可する」と記載されている。位置情報の共有にはリスクがあることを強調しておきたい。必要以上に情報をシェアし続けていると、あなたの行動や行動範囲が第三者に特定される可能性があり、誰かにストーキングされるリスクがあるため注意が必要だ。プライバシーとセキュリティの設定から「ツイート」に進むと、位置情報の追加を無効化できる。以前に位置情報を使用していた場合、過去のツイートに付加した位置情報を削除することも可能だ。
Twitterでは、ユーザー同士が写真にタグ付けし合うことが可能だ。この機能は初期設定で有効化されており、設定の「プライバシーとセキュリティ」から、誰でもタグ付け可能とするか、フォローしている人のみタグ付け可能とするかを選択できる。しかし、どのような人が写真を見るのか、画像がどこに出回るのか、どのような種類のメタデータが含まれているのかを確認することはできない。従って、写真へのタグ付けは無効化しておくのが安全な方法だろう。
この設定には複数の機能があり、これまでブロック、またはミュートしたアカウントや、ミュートした単語や通知に関する情報を確認できる。アカウントのブロック機能はその名のとおりであるが、ミュートはそれほど強力ではない。ミュート機能は、ブロックしたり、フォローを外したりしなくても、タイムラインから当該アカウントのツイートを非表示にするものだ。特定の単語をミュートすることで、フィード内にその単語が表示されることを回避することができる。具体的には、この機能を有効化することで、その単語を含むツイートが通知・メッセージ・タイムラインに表示されなくなる。また、フォローしていないアカウントやメールアドレスが未確認のアカウントなど、複数の条件を使い通知をミュートすることも可能だ。
ダイレクトメッセージ(DM)の設定では、DMを送信できるユーザーの制限ができる。ソーシャルメディアにおける「荒らし」は突然現れ、不愉快で奇妙なメッセージで受信トレイがあふれてしまう。この機能でそうした事態から回避可能だ。DMを送信できる対象を管理するだけでなく、典型的なスパムメールを非表示にできるスパムフィルターも提供されている。ただし注意が必要なのは、この機能を有効化していると、フォローしていない人から届いたメッセージは、すべてスパムメッセージとしてリクエスト・セクションの最下部に留まってしまうことだ。
設定の「見つけやすさと連絡先」では、登録しているメールアドレスや電話番号を元に、他のユーザーがTwitter上であなたを検索できるかどうかの詳細設定が可能だ。この設定を有効にすることで、知り合いがTwitter上であなたを見つけやすくなる一方、見知らぬ人でもあなたを見つけることができるようになるため、あまりプライバシーに配慮した機能とは言えない。プライバシーを重視する方は、この機能は無効化しておくと良いだろう。
本記事は、Twitterが提供するセキュリティとプライバシーに関する設定を網羅したものではない。しかし、自身のアカウントを保護するための基本的な方法をまとめた。さらに安全性を高めたいのであれば、「データ共有とTwitter外でのアクティビティ」の設定についても調べてみると良いだろう。Twitterを安全に利用するために今回紹介した方法が役立つことを願う。
ナビゲーションリスト
Twitterアカウントのハッキングを予防し、安全にツイートするための簡単な手順を紹介する。 アカウントの保護 ツイートの保護 位置情報の追加を無効化 タグ付けさせない ミュートとブロック DMできる人を制限 見つけやすさの設定 おわりにカテゴリー
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