2022年2月に海外で発売された「Galaxy Tab S8」を購入しましたので、レビューします。
このGalaxy Tab S8は数値上のスペックはほとんど進化しておらず、Tab S7からSoCが若干変わった程度のマイナーチェンジモデルとなっています。しかし、ソフトウェア上で様々な進化を遂げており、さらに使いやすい1台になっているのではないでしょうか。
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前回のモデルから、外観はほとんど変わっていません。サイズはTab S7とまったく同じサイズです。Tab S7用のカバーも装着可能なため、カバーの選択肢も広がります。
左がGalaxy Tab S8、右がGalaxy Tab S7
前のモデルからの変更点と言えば、背面のペンの充電場所がブラックになったことでしょうか。相変わらずペンは背面で充電する仕様になっています。Galaxy Tabの伝統的な仕様ですが、iPadのように側面でも充電できるといいなと思います。
全モデルに標準で付属されているSペンは、今モデルでは全色でブラックに統一。Tab S7のブロンズカラーのSペンもかなり気に入っていたので、ブラックに統一されてしまったのは少し残念です。
側面には指紋認証センサーを搭載するほか、簡易的な顔認証も搭載しています。
最大1TBまでのmicroSDを挿入するスロットもあります。
ディスプレイはS8+、S8 Ultraと異なり、120Hz駆動のTFT液晶が採用されています。タブレットでは、常時同じ画面を表示しておく機会も多いと思うため、有機ELでの焼き付きが心配な時はこのモデルを選ぶのもありでしょう。
Galaxy Tab S8ではマルチウィンドウ機能が充実。分割は左右分割だけではなく、上下の分割も可能。さらにはポップアップ表示も可能で、ポップアップ表示の際にはタイトルバーの表示/非表示を切り替えたり、ポップアップしたアプリの透明度を変更できたりします。
左から、タイトルバー非表示、表示、タブの透化
2画面だけではなく、メインウィンドウ、サブ上、サブ下の3画面分割にも対応しています。動画やブラウザを見ながら、電卓で計算をしてメモするときなどをするときにも便利です。
Galaxy Tabシリーズやスマートフォンなどに純正アプリとしてインストールされているのが「Galaxy Notes」アプリ。かなり高機能なアプリで、Galaxyユーザーならサードパーティ製アプリを購入せずともこのアプリだけで完結させることができるような、非常に有能なアプリです。
今回のシリーズで追加された目玉機能が「スマートフォンをパレット化」できる機能。Galaxyスマートフォンとリアルタイムに同期して、ペンの種類や色を選択したり、ツールを選択したりするパレットとして使用することができます。従来であればペンや色を変更する際にパネルの展開が必要でしたが、常時表示しておくことができるようになるため、非常に便利な機能です。
前述した画面分割を生かした機能も。画面分割で使用しているときには、閲覧しているページに応じてサジェストが表示されるように。例えば、ブラウザを閲覧しているときには、「リンク」と「ページ全体」という2通りのボタンが、ギャラリーで画像を閲覧しているときには「添付」というボタンが表示されます。
これらのボタンをタップすると、「リンク」ではその名の通りWebページへのショートカットリンクが作成され、「ページ全体」をタップするとWebページをそのままノートの背景として使用することができます。しかも、Webページのキャプチャ画像として扱われるわけではなく、テキストはテキストとして、画像は画像として扱われるため、ここからテキストをコピーすることも可能。マルチウィンドウ前提で考えられた、素晴らしいUIだと感じました。
もちろん、ブラウザから画像だけを引っ張ってきたい時はドラッグ&ドロップでOK。スマートフォンとタブレットの間でクリップボードの共有もできます。
Androidタブレットはもともと低スペックな端末ばかりが市場に出回っており、ハイエンドのAndroidタブレットはGalaxy Tab Sシリーズを除くと極めて少数しかありませんでした。そのため、高機能なアプリもiPad専用に作られており、Android版はありませんでした。
そこで、Samsungはソフトウェア企業と連携し、前モデルではグラフィックソフトトップシェアの「CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)」やノートアプリ「NoteShelf」のAndroid版をリリース。
特に、クリスタでは今作で更に改善が加えられ、スマートフォンをカラーパレット等として利用できる「コンパニオンモード」を追加。Galaxy S22 UltraならSペンでの操作に対応しているため、指でもSペンでも色を選択できます。遅延もほとんど感じられず、スマートフォン側でQRコードを読み取るだけで設定できるため、非常に使い勝手の良い機能だと感じました。
Galaxy Tab S8とGalaxy S22 Ultraでスマホをパレット化できるCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)のコンパニオンモード。
S22 UltraはSペンに対応してるから、ペンでも指でもカラーを選択できる。遅延もほぼゼロで、カラー選択してすぐに描いてもちゃんと色が反映される
かなり便利なんじゃないかな pic.twitter.com/A6v2MDjEsc
— ひかるん (@hikarun_mikan) March 3, 2022
さらに、今モデルでは動画編集ソフトの「LUMA FUSION」と協力し、Android版を2022年前半中にGalaxyからリリースする計画もあります。
Galaxyシリーズでは、Windowsとの連携機能が充実しており、中でもGalaxy Tab S8はWindowsのサブディスプレイとして使用できます。
さらに、「Link to Windows」では、端末内の写真に簡単にアクセスしたり、インストールされたアプリをWindows上で起動できたりします。この機能はスマートフォンでも利用可能で、SMSの送受信や通知をPC上で確認する機能なども利用可能です。
ビデオ会議では、プライベートな空間が映らないようにするため、バーチャル背景などを使う人も多いと思います。そこで使えるのが、「ビデオコールエフェクト」機能。
バーチャル背景に対応していないアプリでも使えるほか、対応しているアプリでも、アプリ内と本機能で2重にかけることで事故防止にもつながります。さらに、雑音ブロック機能や自動フレーミング機能も搭載しており、会議やビデオ通話などに使える機能が備わっています。
GalaxyデバイスはGOSの制限により、ベンチマークアプリと実際のアプリの処理性能の制限が異なることが話題となっていたこともあり、あくまで参考程度となりますが、GeekBench、3DMark、AnTuTuのスコアは以下の通りです。
Galaxy Tab S8は、前モデルをさらに改善してパワーアップした素晴らしい1台だと感じました。特にソフトウェア面での改善が顕著で、スマートフォンやPCとの連携機能が非常に優れています。高機能なSペンも同梱されており、創作活動に余計な出費がいらないのも良いポイントです。ただし、スペック上の進化はあまり感じられないうえ、過去の傾向を見ると前モデルでもアップデートで対応する可能性が高いため、値段の下がったTab S7を狙うのもありかもしれません。
Sペンが技適通過済み、Tab S8シリーズの公式ページの広告表示、各メディア媒体への実機提供など、国内発売を匂わせるポイントも多数。今後の国内発売に期待したいところです。
Galaxy Tab S8を早めに入手したい方は、Etorenから購入できます。香港版で技適がないモデルのため、国内版の情報を待つことを推奨します。
Galaxy Tab S8 256GB Wi-Fi Pink Gold/ 5G Graphite
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