いよいよアップルとEpic Gamesの訴訟が再開され、提出された機密文書や社内メールにより、なぜかソニーやFacebookも巻き込まれています。裁判のゆくえは紙のみぞ知るとして、これまで語られてこなかったハイテク業界の逸話が今後も法廷から続々と飛び出すのかもしれません。
次期iPad mini発売は2021年後半に延期?から新MacBook Airはカラバリ豊富?まで、最新アップルの噂をまとめてお届けします。
折りたたみiPhoneは2023年発売とのアナリスト予測。画面は8インチか
大型化が進むスマートフォンも7インチの壁に突き当たるなか、iPhoneにも折りたたみ化の波がやって来るとの有名アナリストMing-Chi Kuo氏の予測です。
アップル社内で折りたたみiPhoneを検討していることは数々の特許出願からも明らかでしたが、製品化にこぎ着けるかどうかは別の話です。しかし、2020年末にiPhone組み立て最大手のFoxconnがサンプル機をテスト中と噂されたことからにわかに現実味を帯び始め、米Bloombergも「折りたたみiPhoneの初期作業が始まった」と報道。とはいえ「プロジェクトの先行きは不明」とのただし書き付きでした。
さらに今年3月、アップルのインサイダー情報に詳しいKuo氏が「主要な技術と大量生産の問題が解決できれば」との条件つきで2023年までに「7.5~8インチ折りたたみiPhone」が発売される可能性があると述べたことで、試作から製品化へと動き出すかもしれない、との期待が高まりました。
今回のKuo氏の予測は、画面サイズを8インチと絞り込んで「2023年には1500~2000万台が出荷される」とした上で、折りたたみ有機ELディスプレイをサムスンが独占供給するという具体性を増した内容です。これは、アップルがサムスンに大量の折りたたみ画面サンプルを発注したとの噂とも符合します。
Kuo氏いわく、製品横断的なエコシステムとハードウェアデザインの優位性を持つ」アップルが折りたたみデバイス市場で最大の勝者になるとのこと。たしかにアップルはスマートフォンやタブレット、コンピュータを幅広く手がけており、様々な画面サイズに変えられる折りたたみ分野では有利とも思えます。アップル幹部らが何度も口にする「iPadとMacは融合させない」との言葉も、いずれ過去の物になるのかもしれません。
次期iPad miniは2021年後半まで発売延期のウワサ
すでに現行モデル(第5世代)の登場から2年が経過したiPad miniですが、次期モデルの発売が今年後半に延期されたとのアナリスト観測です。
おなじみのMing-Chi Kuo氏によると、iPad mini 6(仮)は2021年後半に「タッチパネルのサプライヤーに恩恵をもたらす」とのこと。以前の2021年前半に発売説からの軌道修正であり、2020年後半に予測されたミニLED搭載iPad Pro(新型12.9インチiPad Pro)が今年4月にずれ込んだことに続くもの。新型コロナ禍によるサプライチェーンの混乱は収まったものの、もっかの半導体不足が響いているのかもしれません。
次期iPad miniの画面サイズについては、Kuo氏が8.5インチになると述べたのをはじめ、Bloombergも「初代から採用されてきた7.9インチよりも広い」と予想しています。また全画面デザインになった予想レンダリング画像、あるいは従来通りぶ厚いベゼルやホームボタンを備えたダミーモデルも公開されており、「アップルが準備中らしい」手がかりはいろいろと届けられています。
ほか高級モデルのiPad mini Pro(仮)が量産に向けて着々と準備を進めているとの噂もあり。2021年前半は大型のiPad Proに注目が集まりましたが、後半は小型タブレット(アップル幹部は「タブレット」という呼称を拒否していますが)が話題の的になりそうです。
次期MacBook Pro用のミニLEDディスプレイ製造、歩留率が改善したとの噂
12.9インチiPad Pro(2021)に採用されたミニLEDバックライト付き画面は、アップルいわく携帯できるリファレンスモニターとのこと。その真価はおそらく次期MacBook Proで発揮されると期待が集まりますが、一方で製造の歩留率が悪いとも噂されていました。
しかし台湾の電子部品業界情報誌DigiTimesによると、ミニLEDの表面実装を請け負うTSMTが「技術的な問題」を解決したとのこと。歩留率は95%以上にまで高まったと伝えられています。
5月9日現在で12.9インチiPad Proの配送予定日は7月中旬までずれ込んでいますが、それはミニLED画面の製造が滞っていることが一因と推測されます。今回の噂が本当だとすれば、まず12.9インチiPad Proの納期が早まる可能性もありそうです。
AirTagのストーカー対策は十分ではないとの体験レポート。DV被害者は追跡に気づきにくい?
忘れ物トラッカーAirTagは公式にはヒトの追跡はできないとされ、実際に「所有してないAirTagが近くにあればiPhoneに警告」など数々の安全対策が施されています。しかし米ワシントンポストのジェフリー・ファウラー記者が1週間かけて検証してみたところ、数々の抜け穴があったと警鐘を鳴らしています。
サンフランシスコ湾の向こう側にいるストーカー(役)がファウラー氏の位置を数分に1回はつかみ、自宅の住所も易々と分かったのは、AirTagの素晴らしい精度であり恐ろしさとも言えます。
また「持ち主から離れて3日後に音が鳴る」仕様も、1.5mほど離れれば鳥のさえずり程度であり、数時間に一度しか鳴らない(鳴りっぱなしではない)とのこと。
さらにスピーカーとなるカバーを強く押えてやれば音が鳴らない、という発見もあり。また身に覚えのないAirTagの警告を受けられるのはiPhoneだけで、米国人の半分以上が持つAndroidは守備範囲外とされることも重要な指摘と言えます。
最も大きな問題は、音が鳴るまでの3日という期間は、様々なストーカー行為を働くには十分な余裕があるということ。その3日間も持ち主のiPhoneとAirTagが近づけばリセットされるため、被害者と加害者が同居する場合は追跡に気づくことが難しいというわけです。
とはいえ、AirTagの警告機能はこれまで前例がほとんどなかったもの。今後のソフトウェアアップデートにより、いっそうセキュリティが高まることを期待したいところです。
次期MacBook Air、24インチiMacのようにカラバリ展開のうわさ
新型24インチiMacはM1チップ採用による薄型化以上にカラーラインアップの豊富さが驚かれましたが、その要素が次期MacBook Airにもやって来るとの噂話です。
噂の出所は、当たり外れのあるリーカー(注目の未発表製品にまつわる有力情報を発信する人)Jon Prosser氏です。アップルの特別イベントが3月に開催されると予想しながら外したことでまゆ毛をそっていましたが、24インチiMacのカラバリを当てたことで信頼度が回復しています。
今回の情報源は、まさに24インチiMacの話を教えてくれた人とのこと。「青いプロトタイプを見た」とも語っているそうで、本当だとすれば24インチiMacがブラウン管時代のiMacを彷彿させたように、ノート型のMacBookも20年以上前のiBook G3に先祖返りすることになります。
また次期MacBook Airは、12.9インチiPad Proや次期MacBook Proと同じくミニLEDディスプレイ(Liquid Retina XDR)搭載と予想されています。新技術であるミニLED搭載のためにiPad Proは少しお値段が高くなったと推測されていますが、エントリーモデルのAirは手頃な価格が重視されるだけに、発売される頃(2022年説が有力)にはミニLEDの製造コストも下がっていることを祈りたいところです。
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