APNICとCloudflareは4月1日、無料のパブリックDNSサービス「1.1.1.1」の提供を開始した。
Cloudflareでは、1.1.1.1のサービスにおいて、ユーザーのIPアドレスを記録しないことをうたっており、これを証明するため、KPMGによる監査を毎年行うとしている。
公式ウェブサイトによれば、DNSモニター「DNSPerf」により計測した応答速度は14.8msで、一般的なISPのDNSサービスの平均(68.23ms)を大きく上回り、Google Public DNS(34.7ms)、Cisco Open DNS(20.6ms)などのパブリックDNSサービスよりも。およそ28%高速だという。
PCやスマートフォン、ルーターでの利用が可能で、1.1.1.1のパブリックDNSサービスを利用するための各環境でのセットアップ方法については、公式サイトで詳しく解説されている。
例えばWindows 10では、[設定]の[ネットワークとインターネット]にある[イーサーネット]の[アダプターのオプションを変更する]、または[コントロールパネル]の[ネットワークとインターネット]にある[ネットワークと共有センター]から[アダプターの設定の変更]を選び、「イーサーネット(環境によって異なる)のプロパティ」から「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」のプロパティを表示して、以下のように「次のDNSサーバーのアドレスを使う」の「優先DNSサーバー」を「1.1.1.1」、代替DNSサーバーを「1.0.0.1」に設定する。このほか、IPv6の設定用アドレス「2606:4700:4700::1111」および「2606:4700:4700::1001」も提供されている。
インターネット接続時の通信が暗号化されていても、DNSサービスを提供しているISPや、ネットワークを盗聴している第三者は、ユーザーの接続先ウェブサイトの履歴を閲覧・収集できる。こうしたデータは、現在では主にターゲッティング広告などに利用されることがあるという。
米国では、ISPによるユーザーのウェブ閲覧データの販売が制限されていたが、2017年3月、上院議会でこうした規則を廃止する法案が可決されている。
APNICは、アジア太平洋・オセアニア地域におけるIPアドレスの割り当てを管理する非営利団体で、「1.1.1.1」「1.0.0.1」のIPアドレスを保有していた。
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