OPPOから中国で発売された「Find N」は、ディスプレイを横に開くタイプの折りたみスマートフォンです。横折り式のスマートフォンと言えばサムスンのFoldシリーズがメジャーな存在であり、日本を含む各国で「Galaxy Z Fold3 5G」が発売中です。Find Nは中国で7698元、約13万4000円という価格を実現しており、20万円近くするGalaxy Z Fold3 5Gよりも非常に安価です。とはいえ、スペックが落とされているわけではなく、性能も高いハイスペックな製品です。
10万円台前半で登場した「Find N」両者の違いはFind Nの発表会でも力説されていましたが、本体を開くとFind Nは横方向が長いディスプレイとなり、タブレットを横にした状態と同じスタイルでそのまま使えることです。両者を開いて並べてみると、Galaxy Z Fold3 5Gは確かに開くと縦方向が長く、このままでは写真や動画を表示したときに、画面いっぱいに表示することができません。しかしFind Nなら、そのまま約4:3のディスプレイとして使えます。
Galaxy Z Fold3 5G(右)とFind N(左)。Find Nは開くとそのままタブレットデザインとなるディスプレイの外周サイズは、Galaxy Z Fold3 5Gが158.2×128.1mm、Find Nが132.6×140.2mm。Find Nの方がやや正方形に近い形状になっています。そのため、閉じたときの大きさもGalaxy Z Fold3 5Gの横幅67.1mmに対し、Find Nは73mmと太め。とはいえ、iPhone 13は横幅が71.5mmなので、Find Nはそれほど太いというわけでもありません。なおFind Nの厚さは15.9mm、Galaxy Z Fold3 5Gは隙間があるため、たたんだときの断面は「くさび型(V字型)」となっており、厚さは14.4から16mm。握り心地はGalaxy Z Fold3 5Gの方が若干いいと感じました。
閉じた状態ではやや横幅が広く感じる閉じたときのディスプレイサイズが5.49型というのは、最近のスマートフォンとしては小さい方に分類されます。ちなみに、何かと話題になった「BALMUDA Phone」は4.9型。Find Nは「小型スマホ」と「4:3の7.1型タブレット」のハイブリッド端末ということで、「縦にスリム」「7.6型より大型ディスプレイタブレット」というGalaxy Z Fold3 5Gとは若干方向性の違う製品にも思えます。
閉じると5.49型の小型画面スマホになるFind NはGalaxy Z Fold3 5Gを小型化したモデル、という見方もできるかもしれません。そう考えると価格が安いことも納得できます。しかし開いたときの大きいタブレット画面を有効活用するUI(ユーザーインタフェース)としては、Find Nが使いやすいと感じました。アプリ使用中にディスプレイの情報から2本指で下にスワイプするとアプリの分割表示になりますし。アプリ画面をつまむようにするとフローティングウィンドウ表示となるのです。
指先操作で簡単に2画面やフローティング表示ができるこのタブレット画面のUI・操作は、GoogleもAndroid 12Lで大きな改善を加えるとしています。AndroidタブレットがiPadよりも使いにくいと感じるのは、大きい画面を活用しにくいことであり、SamsungもGalaxy Z Fold3 5Gではサイドバーを使ったUIを独自に実装しています。Googleは折りたたみスマートフォンの開発を断念したともいわれていますが、折りたたみスマートフォンに限らず、タブレットの最適なUIはGoogleよりもスマートフォンメーカーの方が一歩先を考えて開発しているようにも感じるところです。
折りたたみスマートフォンはタブレット同様にUIの改善が望まれるさて、Find Nは中国で発売するや、初回ロットが即座に完売するほどの人気でした。価格が安めなことや性能が高いこと、そして製品の仕上げもいいことから人気が出るのは当然だったのかもしれません。日本でもぜひ使ってみたいと思う人も多いはず。Samsungの次期折りたたみスマートフォンをより良いものにするためにも、ぜひ海外展開してほしいものです。
折り目のないディスプレイも大きな特徴だカテゴリー
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