帰国翌日から始まる「監視アプリ」による監視。あらかじめ待機場所の登録(現在地報告)を義務付けられ、食料を買いにコンビニに出かけるなどして待機場所から離れると「誓約書違反」の警告が来る(撮影:加藤博人)
筆者は10月27日に羽田空港を発ち、シアトル経由でロサンゼルスに向かった。ロサンゼルス(LA)やラスベガスで自動車関係の取材をして、ニューヨークを経由してLA→(ミネアポリス→デトロイト)→羽田という経路で11月25日に帰国した。【画像】厚労省が公開する「入国時誓約書違反者リスト」日本への帰国に際して必要な書類や検査について、そして羽田空港についてからどのような手順を踏んで入国が許されるのか?入国してから14日間の待機期間、アプリで監視される日々までをつづってみたい。まず、アメリカから日本に帰国する際に必要なものは以下1.自治体発行のワクチン接種証明(原則日本国内で取得)2.アメリカ出国前72時間に受けた検査による陰性証明書(特定の書式あり)3.誓約書(帰りの飛行機内で渡される)このうち、アメリカ国内で取得するものは2番の陰性証明書だが、これは出国2日前にニューヨークで取得した。検査費用は175ドル。結果は翌朝メールで届いた。そしてロサンゼルス空港のデルタ航空カウンターで搭乗手続きをする際に諸々の確認を行った。日本に向かう飛行機の中では乗ってすぐ、税関申告書と誓約書を渡された。誓約書には非常にたくさんの誓約項目が書かれており、14日間の待機場所(自宅や自分で予約したホテルなど)や移動に公共交通機関を使わないこと、MY SOSといういわゆる「行動監視アプリ」で毎日連絡に応じること(1日2-3回の位置確認と1日1回のビデオ通話)などを誓約させられて、法定代理人などの記入もあった。アメリカへ向かう際の飛行機も空いていたが、帰りの飛行機はもっと空いていた。エコノミーながらホントに快適な旅ができた。が!そんな快適な空の旅も羽田空港に到着し飛行機を降りた瞬間から、一気に「物々しい」雰囲気に変わった。もちろん、覚悟はしていたわけだが…。◆到着→検査場→書類審査飛行機を降りてすぐに、「COVID-19 TESTING」の貼り紙が目に飛び込んできて空港職員によって検査場へ案内された。強制的な検査なのでもちろん費用は掛からない。飛行機から降りた乗客全員がまずはここでCOVID-19の検査を受ける。下りたところにトイレがあるのでここで行くのがベスト。この先検査場までは何か所かトイレがあるがすべて黄色いテープで封鎖されて使用禁止になっている。飛行機を降りて検査場までは結構長い距離を歩くのでトイレは下りてすぐ行くべし。検査場までは通常の進路とは逆方向を歩いていく。つまり「動く歩道」は止まっていて使えない。私が検査場に向かおうとしたとき、検査が終わった外国人男性3名が止まっている「動く歩道」を、通常の進行方向とは反対方向に歩き、検査結果を待つ場所へ移動する姿を見かけた。オミクロン株の空気感染の可能性がゼロとは言えないため、感染リスクが高まってしまう状況といえる。入国のための手続きはまず「書類審査」から行われる。パスポートと共に、誓約書の内容、アメリカで受けたPCR検査の陰性証明書、および日本で取得したワクチン2回接種完了の証明書などを確認する。◆成田では隔離場所に移動するまで約11時間かかった例もOKが出れば、次はいよいよCOVID-19の検査となる。検査場に入るとすぐに唾液採取キットを渡される。検査は昨年7月から時間がかかるPCR検査から、結果が早く出る抗原定量検査に変更されている。飛行機を降りたばかりで口の中は乾燥しているし、なかなか唾液が集まらず…。何度かやってようやくOKが出た。唾液が出ないからといって水分摂取は厳禁なので、どうしても唾液が集められない場合は鼻の粘膜を採取することになるが、これは検査の結果時間が少し長くなる。唾液採取が終わると、次は別名「監視アプリ」と言われる「MySOS」のインストールと使い方の説明を受ける。14日間の待機中は基本、このアプリで現在位置や待機場所にいるかどうかの遠隔監視が行われる。そのため、スマホは全員必須だ。スマホを持っていない人またはスマホ有でもMySOSアプリが使えない場合などは強制的に14日間15000円でスマホをレンタルしなくてはならない。制限区域内でレンタルできる業者は一社に限られているので安い業者を探す、なんてことも現実として不可能だ。高齢の家族やスマホを持っていない子どもの場合は昔使っていたiPhoneなどの端末を用意しておくと良いだろう。なお、スマホじゃなくても、アプリが動作するならばiPadなどのタブレットでも可能である(ただし、実際は常に持ち歩くかそばに置いておく必要があるので小さい方がベター)。アプリの設定が終わったら誓約書を回収し、検査結果の発表場所まで移動する。検査結果の発表までは約30~40分程度待った。無事、陰性の結果を得てやっと本来の「入国審査」に移動する。先ほど歩いてきた通路を今度は動く歩道に乗って入国審査と預けた手荷物受け取りの場所に向かう。陰性の結果にホッとしながら入国審査に向かったが入国審査官が明るくにこやかに迎えてくれたので少し救われた気持ちになった。飛行機をおりてすべての手続きが終わるまで約2時間。実際、他の方々の話を聞くと、3-4時間かかったという人もいれば半日かかったという人も。最近、成田空港に到着した人の中には、検査が終わるまで8時間滞在し、隔離場所に到着するまで11時間近くかかってしまった例もある。
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