デジタルライフ
Wi-Fiルーターの電波は離れるほど弱まり、壁などの障害物によってさらに減衰する。電波が届かなければWi-Fiの速さを生かせない。電波を遠くまで飛ばすには、中継機が最も手軽な解決策だ。中継機はその名の通り、Wi-Fiルーターからの電波を橋渡しして子機まで届ける(図1、図2)。
図1 1階に設置されたWi-Fiルーターから最も離れた2階の部屋は電波が届きにくく、通信速度が大幅に落ちたり、接続が不安定だったりする。こんな住宅環境ではルーターとパソコンなどの子機の間に中継機を設置することで、Wi-Fiの電波を遠くまで届かせることができる図2 1階と最も離れた2階の部屋は電波状況が非常に悪く、ルーターと子機間の実効速度は20Mbps台まで落ち込んでいた。そこで中継機を中間地点の階段に設置したところ、速度は大幅に改善して約8倍にアップした。Wi-Fiルーターと中継機、子機の規格はすべてWi-Fi 6(最大1201Mbps)魅力は導入のしやすさ。中継機にルーターのSSIDと暗号キーがコピーされ、子機は電波の強いほうに接続する仕組みで、既存のネットワーク環境を変えずに済む(図3)。大半の中継機は自動で設定でき、メーカーを合わせる必要もない(図4、図5)。
図3 中継機はWi-FiルーターのSSIDと暗号キーをコピーして引き継ぐ。電波の強さに応じて子機はルーターか中継機に自動的に接続する。このため、子機側の設定は変更不要で、意識せずに使えるのがメリットだ。なお、中継機の仕組み上、同じ周波数帯では同時にデータを送受信できないため通信速度は落ちてしまう図4 Wi-Fiルーターと中継機は、両者の自動設定ボタンを押してしばらく待つだけで設定が完了する。両者のメーカーが違ってもWi-Fiルーターと端末(パソコンやスマホなど)をボタン1つで簡単に設定するための規格「WPS」でたいてい自動設定が可能だ図5 中継機はWi-Fiルーターと同じSSIDになるが、これではどちらに接続しているかわからない。製品によっては中継機用のSSIDを別途用意しているので、手動で確実に接続することができるあわせて読みたいWi-Fi環境の見直し ルーターは高速で安全「6」が主流
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